研究課題/領域番号 |
05680520
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大海 忍 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (20160046)
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研究分担者 |
栗林 太 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60251443)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 白血球 / スーパーオキシド / 活性酸素 / 食細胞 / シトクロム / 好中球 / プロテインキナーゼC / リン酸化 |
研究概要 |
食細胞のスーパーオキシド(O_2^-)産生は、形質膜に存在するシトクロムb_<558>に、細胞質の分子量47Kおよび65Kの蛋白質が刺激によって会合した、活性型O_2^-産生系によって触媒される。O_2^-産生系の活性化には、プロテインキナーゼC(PKC)による47K蛋白質のリン酸化が関与していると考えられているが、リン酸化部位を含めその詳細は明らかでない。今回は、ヒト好中球無細胞系でのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)によって誘導されるO_2^-産生においてもPKCが関与している可能性があること、47K蛋白質のカルボキシル末端に近い部分にリン酸化がかかわる機能領域があることを明らかにした。 1.種々のプロテインキナーゼの擬基質領域(pseudosubstrate region)のペプチドを化学合成し、SDSで刺激したヒト好中球無細胞系に加えると、PKCのβ分子種の擬基質領域が、PKCの活性を抑えるとともに、O_2^-産生を阻害した。この擬基質領域ペプチドは、PKCのα、β、およびγ分子種に作用するが、好中球にはPKCβ、特にβII分子種が主要に発現しているので、PKCβIIがO_2^-産生系の活性化にかかわっている可能性が高いと考えられる。 2.47K蛋白質の一次構造に基づいて、PKCによってリン酸化されうるアミノ酸残基を含む部分の種々のペプチドを化学合成し、同様にして無細胞系でのO_2^-産生に対する影響を調べた。Ser-323を中心においた11残基のペプチドがO_2^-産生を阻害した。このとき加えたペプチドは、リン酸化を受けた。そこでSer-323のリン酸化がペプチドによるO_2^-産生系の阻害に関係しているか否かを調べるために、Ser-323をアラニンに置換したペプチド、およびSer-323にリン酸基を導入したリン酸化ペプチドをそれぞれ合成し、O_2^-産生に対する阻害効果をみたが、どのペプチドも同程度にO_2^-産生を阻害した。したがって47K蛋白質のこの領域は、活性化の際に分子間あるいは分子内で未知の領域とアミノ酸配列特異的に相互作用し、O_2^-産生系が活性型になると考えられる。
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