研究課題/領域番号 |
05680522
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
五味 知治 富山医科薬科大学, 実験実習機器センター, 助教授 (40135033)
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研究分担者 |
藤岡 基二 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (30030000)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | メチル基転移酵素 / S-アデノシルメチオニン / グアニジノ酢酸メチル基転移酵素 / グリシンメチル基転移酵素 / 親和性標識 / 部位特異的変異導入 / 正の協同性 / アミノ末端アセチル化 |
研究概要 |
哺乳動物のメチル基転移酵素(mMT)のS-アデノシルメチオニン(AdoMet)結合部位の構造に関する情報を得るため、主に2種の組換体酵素を用いた解析を行なった結果、以下のような知見が得られた。 1.グアニジノ酢酸メチン基転移酵素:(1)AdoMetによって親和性標識されたTyr^<136>の近傍に存在し、かつ他のmMTにも共通なAsp残基を含む領域への変異導入による解析を行ない、Asp^<134>が本酵素の活性発現、特にAdoMet結合に重要な残基であることが明らかになった。 (2)配列比較により、ほとんどのmMTが共有し、更にヌクレオシド結合タンパク質一般にも共通すると考えられる構造がアミノ末端側に存在することを見出した。この領域への変異導入を行なったところ、その重要性が示唆されたので更に解析を進めている。 2.グリシンメチル基転移酵素:(1)ラット肝酵素はAdoMet結合に関して正の協同性を示すのに対し、ウサギ肝酵素はこれを示さないと報告されていた。ウサギ、ブタ、ヒトの各肝酵素をクローン化し、ラット肝酵素も含めて比較解析したところ、種間で一次構造上の差は少ないことが明らかになった。肝の抽出液を用いた初速度解析では、いずれの酵素もAdoMetに関して正の協同性を示すことが示された。 (2)ウサギ肝酵素の組換体酵素は通常の条件下ではこの協同性を示さなかった。天然の酵素のN末端残基はアセチル化されているのに対し、組換体酵素では遊離である点だけが構造の違いであることが明らかになり、アセチル化が協同性の発現に関与することが示唆され、pH依存性の解析により、N末端の正電荷の消去が重要であるという可能性が示唆された。 (3)専門家との共同研究によってラット肝の組換体酵素を結晶化し、本結晶はサブユニット2つを単位とし、単位格子a=86.4,b=175.7,c=45.5Åの斜方晶系P2_12_12空間群に属するという予備データが得られた。
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