研究課題/領域番号 |
05680543
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
吉田 匡 山形大学, 医学部, 教授 (10004673)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | フマラーゼ / 翻訳調節 / アイソザイム / COS細胞での発現 |
研究概要 |
ラットフマラーゼの遺伝子の解析から、5'側非翻訳部にはループ構造形成可能な領域があり、もし、ループが形成されると最初のATGコドンはこのループ内に含まれてしまうことを我々は見出している。しかし、今迄我々の得たcDNAは5'側非翻訳部が非常に短いものばかりであったので、このcDNAと遺伝子とを繋ぎ合わせてループ形成可能なcDNAを構築した。また、最初のATGを欠くものも作成し、これらのDNA断片を真核細胞発現ベクターpSVLに組み込んだ次の三種の発現ベクターを構築した。pSVLRFumML(ループ形成可能な長い5'側非翻訳部を持ちミトコンドリア輸入のシグナルとフマラーゼをコードするもの);pSVLRFumMS(pSVLRFumMLと同じであるがただループ形成ができない);pSVLRFumC(最初のATGを欠くためシグナル配列は除かれており従って細胞質型のフマラーゼしか発現しないと考えられるもの)。これらの発現ベクターをトランスフェクトされたCOS細胞からミトコンドリアと細胞質画分を調製し、それらをSDSPAGEし、さらにイムノブロット法にてどの画分にフマラーゼが発現されているかを検討した。 その結果、pSVLRFumML或るいはRFUMMSをトランスフェクトされたCOS細胞では両画分共にフマラーゼが顕著に発現されていた。さらに、二番目のATGの下流に大腸菌のCATを組み込んだ融合DNAをCOS細胞にトランスフェクトさせたところ、このキメラ蛋白質はやはり両画分で発現された。つまりフマラーゼでは一つのmRNAから実際に二種の蛋白質が翻訳されていることの決定的な証拠が得られたことになる。pSVLRFumCをトランスフェクトされた細胞では当然のことながら細胞質型酵素のみ発現されていた。pSVLRFumMLとRFumRSとの比較から、ループ形成された場合ミトコンドリアの発現量が細胞質に較べて減少することが認められた。よって、このループ形成領域が二種のフマラーゼの翻訳調節の鍵を握っているものと推測された。
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