研究課題/領域番号 |
05680559
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
河野 通明 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (00027335)
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研究分担者 |
林 恭三 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00029935)
佐藤 仁彦 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (00240945)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 細胞増殖・分化制御 / 細胞増殖因子 / 神経成長因子 / MAPキナーゼ / シグナル伝達 / 蛋白質リン酸化反応 / 分子細胞生物学 |
研究概要 |
1.41-kDa、43kDa・MAPキナーゼの核移行 静止期繊維芽細胞をPDGFなどの増殖因子で刺激すると、10分以内に41-kDa、43-kDa・MAPキナーゼが活性化され、さらにそれらは細胞質から核に移行することを見いだした。また刺激後1時間で増殖因子を除くとこれらキナーゼは速やかに核内から消失し、この条件下では細胞DNA合成の再開がまったく認められなかった。すなわち41-kDa、43-kDa・MAPキナーゼがまず核に移行し、それらが数時間にわたって核内に留まることが細胞増殖促進において重要であることを明らかにした。 NGFで神経様細胞へと分化誘導したPC12細胞においても上記MAPキナーゼの急速な活性化が引き起こされたが、ここではそれらの核移行は認められなかった。すなわちMAPキナーゼの細胞内における挙動の差異で、異なった生理応答が説明できる可能性が示唆された。 2.41-kDa、43-kDa・MAPキナーゼの変異遺伝子の細胞への導入 41-kDa、43-kDa・MAPキナーゼの活性化に必要なThr、Tyr残基をAla、Pheに置換した変異遺伝子(Dominant Negative Mutants)を導入した繊維芽細胞において、細胞周期の延長に伴う増殖速度の低下が認められた。すなわち、MAPキナーゼの機能は細胞増殖反応において必須の役割を果たしている可能性が強く示唆された。 3.TGF-betaの細胞増殖シグナル系の解析 TGF-betaは41-kDa、43-kDa・MAPキナーゼの活性化、核移行を引き起こすことなく繊維芽細胞の増殖を促進することを見いだした。すなわち、細胞増殖促進シグナル伝達系にはいわゆる「MAPキナーゼ・カスケード」を含まない新たな反応系が存在する可能性が示唆された。
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