研究課題/領域番号 |
05680579
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
片岡 幹雄 大阪大学, 理学部, 助教授 (30150254)
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研究分担者 |
徳永 史生 大阪大学, 理学部, 教授 (80025452)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | バクテリオロドプシン / 光反応中間体 / 光駆動プロトンポンプ / X線回析 / シッフ塩基 / アミノ酸置換体 / X線回折 / 時分割X線回折 / 遺伝子操作 / 点突然変異体 |
研究概要 |
バクテリオロドプシン(bR)の光駆動プロトンポンプの分子機構を理解するために、各光反応中間体の構造解析を目的として、本研究を行った。 D85Nは光反応的にはM中間体を生じないにも関わらず、アルカリ型D85Nは様々な点でM中間体と類似の性質を示すことが明らかとなった。そこで、中性型構造とアルカリ型構造の比較を行った。同一乾燥配向試料の同一場所から異なったpHでの解析像を記録するために、アンモニア処理法を考案した。D85NのpHによる構造変化の様相は、M中間体への変化の様相と類似していた。差フーリエ合成によりアルカリ型ではヘリックスC、F、Gの周辺で構造変化が起きることが明らかになった。これらはM中間体での構造変化に共通するものである。D85N/D96Nでも同様の構造変化が観測されたが、変化の程度はD85Nに比較してかなり小さかった。中性型のX線回析像を詳細に調べたところ、中性で既にM型構造を獲得しているものの割合が高いことが示された。以上の結果から、シッフ塩基の脱プロトン化はM型構造を安定にし、またM型構造がシッフ塩基の脱プロトン化を促すことが示唆された。また、シッフ塩基は、M型構造では細胞質側とのみ、元の構造では細胞外とのみ相互作用可能であることが示された。 D96Nを用いて、様々なpHでM中間体からの戻りの過程をX線回析及び吸収スペクトル変化により調べた。その結果、構造の戻りとシッフ塩基の再プロトン化はほぼ同時に起きることが明らかとなった。また、水銀修飾したシステイン置換体において、水銀の位置がX線回析により同定でき、より詳細な構造変化を記述するために利用可能であることが示された。
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