研究課題/領域番号 |
05680580
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 東京大学 (1994) 大阪大学 (1993) |
研究代表者 |
原田 繁春 東京大学, 薬学部, 助教授 (80156504)
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研究分担者 |
甲斐 泰 大阪大学, 工学部, 教授 (40029236)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | プロテアーゼ / 金属プロテアーゼ / X線結晶構造解析 / Streptomyces caespitosus / Streptomayces caespitosus |
研究概要 |
Streptomyces caespitosusが産出する金属プロテアーゼSCNPの構造・機能相関を解明するためにアミノ酸配列と立体構造を決定した。[1]アミノ酸配列はEdmann分解法で決定した。132個のアミノ酸残基からなり、83-87番目にかけて亜鉛金属プロテアーゼに共通に見られるHEXXH配列が存在している。これまで発見されている亜鉛金属プロテアーゼの中で最も分子量が小さく、相同性も見られない。[2]結晶構造解析の結果、最終的にR-factorが0.18(2.0A分解能)の精度で立体構造が決定できた。5本のβ鎖から成るβシートと3本のαヘリックスからできている。HEXXH配列(H83-E-T-G-H87)は2番目のヘリックス上に存在し、H83、H87、水分子が亜鉛に配位している。更にD93も配位子となっており、全体としては4面体配位構造をとっている。これまでにアミノ酸配列と立体構造が決定されている亜鉛金属プロテアーゼは、全てHEXXH配列中の2つのHisと水分子が配位し、アミノ酸残基数・アミノ酸配列が異なるのに共通の主鎖のfoldingを持っている。この共通のfoldingはSCNPの構造そのものである。即ち、SCNPは蛋白質分解活性に必要な最低限のアミノ酸残基・構造を示していると考えられる。亜鉛への配位の様子についてはthermolysinが4配位構造をとっているのに対して、他のサブファミリーではすべて5配位構造なっている。更に、thermolysin以外はHEXXH配列の最初のHisから数えて8番目に共通にGlyが見られる。このGlyは、11番目のHisが亜鉛に配位できるように、主鎖をこの部分で鋭く曲げている。SCNPについて見ると、8番目にGlyがあり11番目のアミノ酸残基が亜鉛に配位しているが、SCNPではAspである。また、5配位構造ではなく、thermolysinと同じ4配位構造となっている。このように、SCNPはJiangらによって分類されたいずれにも属さず、新規なサブファミリーであると考えられる。
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