研究課題/領域番号 |
05680582
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
後藤 司 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (60136851)
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研究分担者 |
木島 博正 名古屋大学, 理学部, 教授 (30012397)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 無脊椎動物視細胞 / 軟体動物イソアワモチ光受容器細胞 / K^+チャネルの特性 / 光によって閉じるK^+チャネル / cGM-感受性のK^+チャネル / 光受容器電位のセカンド・メッセンジャー / cGMP-感受性のK^+チャネル / 視細胞 / 軟体動物光受容細胞 / 単一チャネル記録 / 光感受性のK^+チャネル / cGMP感受性のK^+チャネル / 細胞内光情報変換機構 |
研究概要 |
脊椎動物視細胞と比較すると、無脊椎動物視細胞の光受容の分子機構の研究はかなり遅れて、混乱している。我々は軟体動物イソアワモチの中枢神経節に存在する未分化の視細胞、光受容器細胞を用いて、その受容器電位発生の分子機構をいくつか解明することに成功した。 1.前年度において、当該受容器細胞は暗順応で開いているK^+チャネルが光を受容すると、閉じて、その結果脱分極性の受容器電位が発生することを明らかにした。また、光によって閉じる(光感受性の)このK^+チャネルはcell-attached型からinside-out型のパッチ・クランプへと記録方法を連続して変えることによって、cGMPと直接結合して開閉することもわかった。 2.6年度において、光感受性のチャネルの平均開口時間は明暗にほとんど影響されないが、平均閉時間は光照射で有為に延びることから、脊椎動物視細胞のセカンドメッセンジャー、cGMP仮説を支持し、実際無脊椎動物視細胞のセカンドメッセンジャー候補、Ca^<2+>およびIP_3ではこのチャネルは活性化されないことを明らかにした。cGMPによって活性化される最大のチャネル活動(開確率)の1/2を示すcGMP濃度は20〜100μMであった。一方、この光及びcGMP感受性のチャネルはK^+に対する強い選択性があり、陽イオンに対して非選択性の脊椎動物視細胞の光及びcGMP感受性チャネルとは異なる。また、このK^+チャネルは少なくとも1mM4-AP及び10mM TEAのK^+チャネル阻害剤に影響されなかった。かくて、イソアワモチ光受容器細胞の光によって閉じるK^+チャネルはホタテ貝繊毛型視細胞における光によって開くK^+チャネル及びアメフラシの5-HT感受性のK^+チャネルとも区別できた。 尚、当該年度の目標であった視物質の発色団を調べたり、ミクロトーム(NS-31)を用いた免疫組織化学による光受容器細胞の形態学的特徴の検索は実験材料及び時間の不足から結論を得るまでに至らなかった。
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