研究課題/領域番号 |
05680584
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
李 相男 福岡大学, 理学部, 助手 (40248472)
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研究分担者 |
安西 和紀 放射線医学総合研究所, 薬理部, 主任研究員 (70128643)
永留 重実 福岡大学, 理学部, 助手 (60180501)
杉原 剛介 福岡大学, 理学部, 教授 (50090915)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 分子生物学 / 膜蛋白質 / カリウムチャンネル / Isk蛋白質 / ペプチド合成 / イオンチャンネル / 脂質蛋白質相互作用 / 立体構造解析 / 生物物理学 / 生体膜 / ペプチド / 蛋白質-脂質相互作用 / 生体膜貫通構造 |
研究概要 |
膜を貫通している蛋白質の構造は、主としてa-ヘリックスからなるペプチドセグメントが寄り集まって成り立っていると考えられている。しかしそれらのalpha-ヘリックスセグメントはいかにして膜を貫通するか、又膜を貫通する部分は蛋白質のどの部分であるかを評価することは、現在推測の域に有る。そこでより正確な膜貫通セグメントを評価するためカリウムチャンネル活性を持つ膜蛋白質Iskの膜貫通セグメントをモデルとして膜貫通に果たす各アミノ酸の役割を脂質二分子膜の相互作用をとうして調べることとした。先ずこのモデルペプチドの合成及び脂質二分子膜への貫通状態をCD、FT-IR,又チャンネル形成能を平面膜法などで調べた。 膜蛋白質Iskの膜貫通ペプチド(ホスト)のデザイン及び合成;腎臓よりえられた人Iskは約130残基空なる一回膜貫通型蛋白質と考えられている。その膜貫通部と予想される部位40残基 RDDSKLEALYILMVLGFFGFFTLGIMLSYIRSKKLEHSHD・・・・(1)をペプチド自動合成機(ミリジェン社9050型)で合成した。合成中間体及び最終物の精製を高速液体クロマトグラフィーでおこない、アミノ酸分析やFAB-Mass分析を行うことにより、目的のものが、純度良く合成されていることを、確認した。 リポソーム存在下でのペプチドの高次構造をCD、およびFT-IR法をもちいて調べたところ、このペプチドは、予想に反してbeta-構造が主体であった。そのイオンチャンネル形成能を平面膜法で調べたところ、チャンネル活性がみられなかった。そこで上記モデルペプチドの鎖を短くしたSKLEALYILMVLGFFGFFTLGIMLSYIRSKKL----(2)を、合成して同様にチャンネル活性を調べたところ、カチオン選択性のイオンチャンネルを形成した。この脂質膜中のコンホメーションを上記同様調べたところ、310-ヘリックスを形成する可能性を示唆した。現在、その詳細をさらに検討中である。更に1の3つのGlyをAlaに変えたアナログを合成し、チャンネル活性を測定したところ、興味あることに、チャンネル様の電流の流れは見られなかったが安定したアニオン選択性を示した。これらの結果を基に、2にゲストアミノ酸を数個導入したペプチドを合成して物理化学的性質を調べることにより、その膜貫通能力を上記実験を通じて初期の各アミノ酸の膜貫通に対するパラメーターを決める実験を展開中である。
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