研究課題/領域番号 |
05680590
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
上口 智治 名古屋大学, 農学部, 助手 (20232738)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 湾曲DNA / DNA結合タンパク質 / 大腸菌核様体タンパク質 / 分子シャペロン / DnaJ / 酵母 / 転写制御 / ストレス応答 |
研究概要 |
1.大腸菌湾曲DNA結合タンパク質H-NSの機能解析 (1)H-NSによって負の転写制御を受けるproUオペロンの脱抑制を指標にして、hns遺伝子に起きた20種類のミスセンス変異と5種類のナンセンス変異を分離した。hns変異の示す多面的な表現型をもとにして、これらの変異が5つのクラスに分類できることが分かった。代表的な変異については変異H-NSの精製を行い、生化学的解析を行いつつある。既に予備的な解析から、DNAへの結合にはN末端約2/3があればよいが、C末端側の変異によってDNA結合能の低下をきたすことが分かっている。また殆の変異はC末端側に集中していたが、β-グリコシドの資化性に変化をきたす変異のみはN末端側に起きるという興味深い結果を得ている。 (2)培地pHによって制御を受けるグルタミン酸デカルボキシラーゼの発現が、中性pH領域ではH-NSによって強く抑制されることを見いだした。 2.新たに見いだした大腸菌湾曲DNA結合タンパク質CbpAとCbpBの解析 (1)CbpAをコードする遺伝子cbpAをクローン化し、遺伝子構造を明かにした。CbpAの一次構造は大腸菌の分子シャペロンであるDnaJと高い相同性をもち、分子遺伝学的解析からDnaJと同じ機能をもつ、構造的/機能的アナログであると結論した。大腸菌において、同一機能をもつ複数の分子シャペロンが見いだされたのはこれがはじめてであり、当該分野の研究において重要な発見であるといえる。 (2)CbpBはKornbergらによって、大腸菌oriC領域に結合するタンパク質として見いだされたRobタンパク質と同一であることを証明した。更にcbpB遺伝子の発現を解析したところ、cbpBは定常期特異的なシグマ因子であるRpoSによって、生育定常期並びに炭素源やリン酸源の枯渇に伴ってその発現が誘導されることを見いだした。 3.分裂酵母における湾曲DNA結合タンパク質の解析 分裂酵母から湾曲DNAに対して優先的に結合する分子量43kDのタンパク質を精製し、遺伝子構造を明かにした。四分子解析を行ったところ、この遺伝子は生育には必須ではないことが分かった。現在欠失変異株の表現型解析を行っている。
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