研究課題/領域番号 |
05680612
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今本 尚子 大阪大学, 医学部, 助手 (20202145)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 核タンパク質輸送 / 核局在化シグナル / 核膜孔 / in vitro 輸送系 / in vitro輸送系 / 熱ショックタンパク質 |
研究概要 |
本研究ではこれまでに同定した、核タンパク質輸送を担う細胞質因子の一つであるhsc70の他に、輸送に関与する細胞質因子の同定とその機能解析を通して、核タンパク質輸送の分子機構を明きらかにすることを目的とする。輸送を担う細胞質因子の同定は、digitonin処理で作製したsemi-intact cellを用いたin vitro核タンパク質輸送実験系を導入し、輸送に必要な細胞質粗抽出液(cytosol)を分画し、輸送活性を追跡することにより行った。cytosolを分画することにより、SV40T抗原の核局在化シグナル(NLS)を結合したウシ血清アルブミン(T-BSA)を核膜孔へ結合させる分画を得た。この分画とインキュベーションしたT-BSAは分画中の因子とNLSに依存して結合して、分子量約500kDaの安定な複合体を形成することが判明した。この複合体をゲル濾過クロマトグラフィーで単離すると、この複合体自身が核膜孔へターゲットすることがわかった。T-BSAに結合したcutosol中の因子を調べたところ、分子量54、56、66、90kDaの4つのタンパク質が同定された。複合体の再構成実験から、4つの構成因子の中の54kDaと90kDaの2つの因子がターゲッティング活性に必要であることがわかった。ターゲッティング活性に必要なこの2つの因子のcDNAのクローニングをすでに終えており、それぞれのcDNAクローンから発現させたrecombinantタンパク質がT-BSAの核膜孔ターゲッティングに必要十分の活性をもつことも確認している。核膜孔へターゲットする複合体とその構成因子の同定は、核タンパク質輸送の基本的pathwayの分子機構の全容を明かにする上で、重要な足がかりになる。当初の研究目的は十分に達成できたと思われる。
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