研究課題/領域番号 |
05680640
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中西 康夫 大阪大学, 教養部, 教授 (40022636)
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研究分担者 |
桧枝 洋記 大阪大学, 教養部, 助手 (30243132)
森田 敏照 大阪大学, 教養部, 教授 (60073110)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 唾液腺上皮 / 形態形成 / クレフト形成 / 細胞間マトリックス / ヘパラン硫酸 / 組織間相互作用 / コラーゲン / マトリゲル |
研究概要 |
細胞間マトリックスまた細胞膜成分として近年その重要性が認識されてきたグリコサミノグリカン、特にヘパラン硫酸は、マウス胎仔唾液腺上皮の初期形態形成に決定的な役割を果たしていることを明らかにした。 (1)12日目胎仔唾液腺原基そのままの培養液にヘパリチナーゼを加えると上皮の形態形成は完全に阻害され、DNA合成も20-30%阻害される。しかし13日目の唾液腺ではヘパリチナーゼに対する感受性はかなり低下する。一方、ヘパリチナーゼの代わりにヘパリンを加えると12日目ではヘパリチナーゼと同じ効果を持つが、13日目では明らかに異なり、新たに分枝する上皮にはストークがない。(2)13日目の唾液腺上皮のみを基底膜成分のマトリゲルで包埋し、間充織をフィルターの反対側に置いて培養すると、上皮の形態は元の原基における形態とよく似たものとなる。ヘパリチナーゼはこの上皮の形態形成を完全に阻害する。ヘパリンをヘパリチナーゼの代わりに加えると、上皮はストークを欠いた形態形成をする。(3)マトリゲルの培養系に間充織の代わりにEGFを用いると上皮は小葉を形成するがストークを欠く。またヘパリチナーゼによってこの形態形成は完全に阻害される。 これらの結果は次のようにまとめられる。上皮の小葉形成には上皮由来のヘパラン硫酸鎖が必須であり、細胞増殖にも関係している。また、ヘパリンで阻害され、ストーク形成に関係する成長因子様物質が間充織から供給されている。また、マトリゲルを用いる培養系はコラゲナーゼに対して完全に抵抗性であることから、この系での上皮の形態形成は唾液腺原基中の形態形成を必ずしも再現しないと結論出来る。なお、ヘパラン硫酸鎖が結合しているコア蛋白質に対するモノクローン抗体をハムスターで作製中であるが、今のところ成功していない。
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