研究課題/領域番号 |
05680648
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 名古屋大学 (1994-1995) 理化学研究所 (1993) |
研究代表者 |
武田 洋幸 名古屋大学, 理学部, 助教授 (80179647)
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研究分担者 |
天沼 宏 理化学研究所, 安全評価研究室, 主任研究員 (70107382)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ゼブラフィッシュ / 転写因子 / ES細胞 / 原腸形成 / 中胚葉誘導 / ES 細胞 / oct-3 / POU / 発生学 / 分子生物学 / POUファミリー / Oct-3 |
研究概要 |
平成5年度から3年間で、ゼブラフィッシュ初期胚で発現している未分化細胞特異的転写因子zebrafish pou2のクローニングと機能解析を行った。pou2はPOU転写因子群に属し、そのPOUドメインは哺乳類のOct-3と相同性がある。pou2遺伝子のmRNAは母性RNAとして検出される。また、発現パターンの解析から割球の多分化能の消失に伴いpou2の発現が消失していることが判明した。この遺伝子産物をRNA注入法で初期胚で過剰発現させると原腸形成が著しく阻害され発生の進行が停止することが観察された。種々のマーカーを用いた解析から、原腸形成阻害は中胚葉誘導が正常に起こらないためと考えられた。従って、pou2遺伝子産物は初期発生、特に原腸胚期までの割球の多分化能の維持や発生運命の決定に深く関与していることが明らかになった。 pou2 mRNAは原腸胚期に胚全体で消失する直前、epiblastで一過的に発現上昇が起こり、一方陥入したhypoblastで発現が急速に消失することがわかった。この特徴的な発現パターンと細胞分化の関係を明らかにするために、この時期の胚細胞の分化状態を細胞移植法により検討した。biotin標識したドナー胚から細胞を取り出し、宿主胚の種々の場所に移植した。その結果、epiblastにおけるpou2遺伝子の一過的発現上昇は神経細胞の分化決定時期に対応し、また、hypoblastでの発現消失はhypoblastの誘導能獲得の時期に対応しているとことが明らかとなった。このことはpou2遺伝子産物の役割が各胚葉で異なっていることを示唆している。 以上のように、初期胚で特徴的発現を示す転写因子pou2の初期胚での役割が明らかになった。
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