研究課題/領域番号 |
05680649
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
河野 邦雄 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (60013942)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 滑面小胞体 / 酸素欠乏 / IP_3受容体 / プルキンエ細胞 / 微細構造 |
研究概要 |
軸索初節の微細構造を小脳プルキンエ細胞で調べようと、ラットの小脳を固定した。プルキンエ細胞の細胞体および樹状突起に扁平な滑面小胞体が多数層状に重なる層板小胞体がプルキンエ細胞の樹状突起の細胞質に出現したり、しなかったりする。どうしてか、今まで経験したことがなく、またこの問題を不問に付して先に進むことができず、まずこの問題を解決することを優先させた。色々な条件を想定して実験を試みた。動物の年令、部位差、リンゲルでの長時間灌流、冷固定液での灌流など、あらゆる可能性を検討した。その結果、心臓にカニューレを挿入するために胸郭を開き、灌流を開始するまでの極めて短時間ではあるが置かれる酸欠状態により層板小胞体が出現することがわかり、実験的に証明した。酸欠0分の樹状突起では滑面小胞体は管状で互いに連続する網目を形成する。酸欠2〜3分では微小管で貫抜かれた有窓小胞体が多数出現し、酸欠4〜5分では層板小胞体が細胞質を占める。プルキンエ細胞の樹状突起の滑面小胞体は短期間の酸欠により管状から有窓そして層板と著しい形態変化を示す。この変化は大脳皮質錐体細胞にはみられず、また酸欠3分は可逆的であるが、5分では不可逆的となる。プルキンエ細胞の樹状突起はIP_3受容体を豊富に含む細胞として知られ、特に層板小体に局在することが報告され、セカンドメッセンジャーとしてのカルシウムの役割が議論されて来た。今後はしばらく、酸欠と滑面小胞体の形態変化とIP_3受容体の動きを調べ、カルシウムイオンの役割を明らかにする。
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