研究課題/領域番号 |
05680687
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
東 英穂 久留米大学, 医学部, 教授 (10098907)
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研究分担者 |
山本 悟史 久留米大学, 医学部, 助手 (60220464)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 低酸素負荷 / 海馬錐体細胞 / Ca依存性Kチャネル / ATP依存性Kチャネル / Catmodulin kinaseII / C-kinase / 細胞内Ca濃度 / 低酸素誘起過分極電位 / 海馬錘体細胞 / Diazoxide / Nicorandil / Glybenclamide / Tolbutamide / 細胞内情報伝達系 / Calmoduline Kinase II / Ckinase / Fura-2 |
研究概要 |
ラット大脳の矢状断スライスを作成し、海馬CA1錐体細胞を対象に、hypoxia誘起過分極電位の発生機序を細胞内記録によって検討した。Hypoxia誘起過分極電位はATP感受性K^+(K^+ATP)チャネル拮抗薬glybenclamide、tolbutamideによって用量依存性に抑制された。K^+(K^+ATP)チャネル活性薬diazoxide、nicorandilを潅流投与すると、入力抵抗の減少を伴う3〜8mVの過分極電位が生じた。同一ニューロンで低酸素誘起過分極電位が発生することを確認した後、diazoxide、nicorandil投与下で膜電位をDC通電でコントロールレベルまで戻して低酸素を負荷すると、過分極電位の振幅は減少した。この減少はK^+ATPチャネル活性薬の前処置によって一部のチャネルがすでに開孔しているためと考えられる。しかしながら、高濃度tolbutamideで低酸素2〜3分負荷にする過分極電位をほぼ完全に抑制しても、低酸素負荷を5〜10分持続させると、大きな振幅をもつ過分極電位が発生した。従って、K^+ATPチャネルの関与に加えて他のK^+チャネル関与の可能性がある。高濃度および低濃度Ca液、BAPTA-AM、procaine、ryanodineによって抑制されたので、過分極電位の発生には細胞内Ca遊離が関与していると考えられた。過分極電位はcalmodulin(CaM)阻害薬W-7、trifluoperazine、CaMkinaseII阻害薬KN-62で抑制されたが、CaM依存性ミオシン軽鎖kinase阻害薬ML-7、A-kinase阻害薬H-89では有意な変化をきたさなかった。一方、C-kinase阻害薬H-7、staurosporineによっても抑制されたが、C-kinase活性薬SC-9、phorbolesterで増大した。以上の結果は、過分極電位発生にCaM kinase系とC-kinase系が関与することを示唆した。総括すると、低酸素負荷は細胞内のATP減少とCa^<2+>増加をきたし、前者はK^+ATPチャネルを活性化、後者はCaM kinase系とC-kinase系を活性化させ、過分極電位を発生させることが判明した。
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