研究課題/領域番号 |
05680691
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
高坂 新一 (1994) 国立精神・神経センター, 神経研究所・代謝研究部, 部長 (50112686)
中嶋 一行 (1993) 国立精神・神経センター, 神経研究所・代謝研究部, 室長 (50175494)
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研究分担者 |
今井 嘉紀 国立精神, 神経センター・神経研究所・代謝研究部, 併任研究員
中嶋 一行 国立精神, 神経センター・神経研究所・代謝研究部, 室長 (50175494)
高坂 新一 , 部長 (50112686)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ミクログリア / 神経栄養因子 / ニューロン / プロテアーゼ / プラスミノーゲン / ミクログリア、 / 神経栄養因子、 / ニューロン、 / プロテアーゼ、 / プラスミノーゲン、 |
研究概要 |
ニューロンとミクログリアの細胞間相互作用に関する研究、特にニューロンの成長・機能発現とその維持といった過程に対するミクログリアの役割についての研究は従来研究の対象にはされておらず、不明なことが多かった。そこで我々はインビトロの系により中枢ニューロンに対するミクログリアの生理活性物質を探索し、ある活性が検出された場合にはその物質を同定し、更にその作用メカニズムの解明を目指すことを目標とした。初年度はミクログリアの培養上清にラット皮質ニューロンの突起伸展および中脳ニューロンのドーパミン取り込み活性を促進する活性を検出し、ミクログリアはある神経栄養因子を分泌する現象を明らかにした。またそれと共にミクログリア由来生理活性物質の検索中、その中にプロテアーゼ活性を検出し、これまでエラスターゼ、ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベータ-およびプラスミノーゲンの3種を同定した。更にこれら3種のプロテアーゼのニューロンに対する作用を調べたところ、プラスミノーゲンが上記ミクログリア培養上清中に検出された神経栄養活性を示すことを明らかにした。このプラスミノーゲンの作用はニューロンに存在する特異的なレセプターを介すると推測されたため、次にその存在を確認し、分離・精製を行うことにした。次年度はプラスミノーゲンレセプターの候補としてニューロン細胞膜45kDaタンパクに注目し、その精製を行った。アミノ酸配列の分析の結果、そのタンパクはラットα-エノラーゼと判明した。実際ラットα-エノラーゼ抗体はプラスミノーゲン結合タンパクを認識し、両者は同一物であることを明らかにした。また免疫組織化学的検討によりエノラーゼがニューロン細胞膜上に存在することが示され、プラスミノーゲンレセプターとして機能する可能性が示唆された。現在、α-エノラーゼが細胞内へのシグナル伝達に関与するかどうか検討しつつある。以上、2年間でミクログリア由来の神経栄養因子の一つとして同定したプラスミノーゲンがニューロンに対し、種々の生理活性を示し、特異的なレセプターを介したシグナル伝達系のある可能性を示すことが出来たが、この結果は神経化学上重要な知見であり、更に発展可能な分野と考えられる
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