研究課題/領域番号 |
05680725
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
香山 雪彦 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30035224)
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研究分担者 |
二宮 冶重子 (二宮 治重子) 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00136970)
小山 純正 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80183812)
伊藤 正省 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (30004609)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 外背側被蓋核 / アセチルコリン / サブスタンスP / 一酸化窒素 / 共存伝達物質 / 視床 / 脳血流 / 上行性賦活系 / 外側膝状核 / レーザードプラ血流計 |
研究概要 |
脳幹の外背側被蓋核(LDT)に密集するアセチルコリン(ACh)ニューロンは共存伝達物質として一酸化窒素(NO)やサブスタンスP(SP)を持っていることが知られている。この研究はそれらの共存伝達物質が軸索終末から放出されるか否か、それらはどのような作用を及ぼすかを、種々の実験方法で試したものである。 この研究以前に我々は、LDT刺激により主たる投射先である視床では中継細胞の興奮が起こることを示していた。NOやSPは血管に対する強い作用を有する物質であるため、同じLDT刺激が視床の血流にいかなる作用を及ぼすかを、ウレタン麻酔下のラットでレーザードプラー血流測定法により調べたところ、LDT刺激開始数秒後より約1分続く血流増加がみらた。この増加はムスカリン受容体の遮断で強く押さえられたが、この処置では抑えられない部分が残った。 同様にLDTを刺激した時に視床でNO濃度が上昇するかどうかを、塩野義研究所で開発されたNO電極を用いて調べた。刺激電極がLDTにある時にのみ、刺激の強さに相関したNO濃度の増加が刺激直後にみられ、LDTニューロンの興奮により軸索終末からNOが放出されることが示された。 シナプス後細胞に対する作用はラット脳のin vitroスライス標本において調べた。視床ニューロンはAChによって脱分極するものが多いが、SPを同時に作用させると、その脱分極が増強されるニューロン、逆にAChの作用が打ち消されて膜電位変化がみられなくなるニューロンなどがあった。このように、共存伝達物質であるSPは主伝達物質AChの作用を修飾するが、その修飾はニューロン毎に異なる複雑なものと考えられる。NOの作用については、残念ながらうまく試せなかった。
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