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カントの批判哲学を手引きとする技術理性批判の哲学の構築

研究課題

研究課題/領域番号 05710007
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 哲学
研究機関福岡女子大学

研究代表者

望月 俊孝  福岡女子大学, 文学部, 助教授 (50200332)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード技術理性 / 自然美 / 純粋趣味判断 / カント / 『判断力批判』
研究概要

技術理性の批判という課題に引き続きとりくむにあたって、今年度は、主としてカントの『判断力批判』の第一部「美感的判断力の批判」のうちに、技術理性批判の含意を探ることに努めた。当初は、天才の芸術のうちに自然と技術との合致を求めるカントの天才論に注目して、現代の技術概念の根本的な見直しを図る予定であったが、当該テキスト全体の綿密な読解の過程で、自然美を捉える「純粋趣味判断」の概念のうちに、天才論に先立ってすでに、近代の技術的存在規定に対する批判的意義が含まれていることが判明した。すなわち、自然科学を初めとする近代の知は、自然の事物を「原因・結果」と「目的・手段」の技術的概念規定の枠組みの中に取り込むことによって、物を人間知性の支配下に収めようとしているのに対し、自然美の観想とは、そのような技術的規定性から自由になった人間主体と自然事物との出会いの事柄にほかならないのである。報告者は、カントの純粋趣味批判の分析論をこのように解釈し、その研究成果を所属研究会で発表したうえで、「自然美の批判的意義--カントの純粋趣味判断を手引きにして--」と題する論文に仕上げた。今後さらに、カントの崇高論と天才論とを、技術理性の美感的批判の継続として解釈してゆくことにしたい。また、ハイデッガ-の技術論や芸術論、あるいはアドルノの美学理論の研究を通じて、カント哲学を手引きにした技術理性批判の構想を補強する論点を探ることにしたい。なお、以上の主要作業に加えて、今年度は、フランクフルト学派のテキストや美学・芸術論・美学史関係の文献等の収集に努め、今後の研究に備えた。さらに、現代の環境倫理学の議論を批判的に検討する作業を継続した。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 望月俊孝: "自然美の批判的意義-カントの超越論的趣味批判を手引にきして-" 文藝と思想 福岡女子大学文学部紀要. 58. (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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