• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

自然言語処理システム、CORESによる深層格関係の認知科学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 05710062
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 実験系心理学
研究機関静岡理工科大学

研究代表者

水野 りか  静岡理工科大学, 理工学部, 助手 (00239253)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード文脈 / 自然言語処理 / 深層格関係 / 代名詞 / 省略語 / 予測 / シミュレーション / プライミング実験
研究概要

本年度は、水野(1992、93)の文脈に柔軟な概念間関係の学習モデル、CORES(contextual and relative existence system)を,人間の処理にできるだけ忠実な自然言語処理システムとして拡張・発展させるため,まず,概念は深層格関係を有する機能的で独立したノードとして取り扱うべきだとする関係情報の潜在的活性化仮説を提起し,道具推論のプライミング実験によってこれを検証した.次にこれに基づき,CORES,統語的な概念連鎖を表す時間関係ノードと,深層格に基づく意味的な概念関係を表す類似関係ノードの2つを設定し,統語と意味の双方の影響を実現できる概念探索経路を実現した.さらに,人間の記憶容量を考慮し,CORESの概念及び概念間関係にも利用可能性を考慮した活性度を設定した.
以上の拡張の後,自然言語処理における主要な課題の中から,CORESの解決すべき課題として,1.代名詞,2.省略語,3.予測,の3つを設定した.まず,1.代名詞,2.省略語を解決するために,実験によって,人間の代名詞の指示語の同定には代名詞の語彙情報と,動詞の意味情報が逐次的に用いられること,省略語の推論にも格関係の欠落という統語情報と,その格関係をとりうる名詞の意味情報が逐次的に用いられることを明らかにした上で,それぞれの処理を上記2つのノード,及び,活性度を利用してCORESで実現し,そのシミュレーション結果を実験結果と比較・修正することで,人間と同じ処理過程をCORESで再現することに成功した.次に、3.予測を実現するために,まず,プライミング実験によって,人間の予測には助詞の統語的連鎖関係と,先行文脈の意味情報が影響することを明らかにし,助詞の統語的影響を時間関係ノードで,文脈の影響を類似関係ノードを通じた概念活性度で実現する予測処理をCORESに組み込んだ.そして,最終的なシミュレーションの結果,人間の予測とほぼ一致した予測結果が得られ,CORESの処理の妥当性と適用力を確認した.

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 水野りか: "知識形成と自然言語処理における文脈の影響の認知科学的検討" 名古屋大学大学院工学研究科博士論文. (1991)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 水野りか: "人間の学習モデル、CORESによる代名詞と省略語の処理" 人工知能学会誌. 9(印刷中). (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 水野りか: "関係情報の潜在的活性化仮説-省略語推論のシミュレーションによる検証-" 日本教育心理学会第36回総会発表論文集. (発表予定). (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 水野りか: "CORESによる予測情報処理" 日本心理学会第58回大会発表論文集. (発表予定). (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 水野りか: "CORESによる自然言語処理 -代名詞・省略語・予測処理の実現-" 静岡理工科大学研究紀要. 2(印刷中). (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 水野りか: "属性値の差異に基づくカテゴリー形成モデルの実験的検討" 人工知能学会誌. 8. 357-366 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 水野りか: "文脈的・相対的存在システム:CORES -カテゴリー形成における心理実験とシミュレーションによる検証-" 静岡理工科大学研究紀要. 1. 51-80 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 水野りか: "CORESによる代名詞と省略語の処理" 日本教育心理学会第35回総会発表論文集. 163- (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 水野りか: "道具推論における格関係情報の潜在的活性化仮説" 日本心理学会第57回大会発表論文集. 423- (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 水野りか: "CORESの自然言語処理への適用 -代名詞・省略語・次情報の推論-" 日本認知科学会第10回大会発表論文集. 52--53 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

URL: 

公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi