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モンゴルの伝統的歌唱「ホ-ミ-」の知覚に見る分凝の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05710064
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 実験系心理学
研究機関大阪芸術大学

研究代表者

山田 真司  大阪芸術大学, 芸術学部, 助手 (10200742)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードホ-ミ- / 聴覚情景分析 / 音脈分凝 / 同時的分凝 / モンゴル音楽 / 歌唱法 / 第2ホルマント / スペクトルエンベロープ
研究概要

モンゴルの伝統的歌唱「ホ-ミ-」は、1名の歌手が同時に2つの高さを表現する歌唱法である。通常、ひとつの音源から発せられた音が2つに分凝して聴こえることはない。このような特殊な知覚が、ホ-ミ-に含まれるどのような物理的音響特性を手がかりとした聴覚情景分析によるものかを明らかにするために研究を行った。
まず、モンゴルのプロのホ-ミ-歌手2名に、口から空気が放出される技法、および、鼻から空気が放出される技法によるホ-ミ-のロングトーン歌唱を行わせ、収録した。さらに、ホ-ミ-歌唱を練習しているアマチュアに同様のロングトーン歌唱を行わせて、これを収録した。これらのロングトーン音の物理的音響特性を明らかにするために、サウンドスペクトログラムの分析を行った。次に、これらロングトーン音に含まれる2つの高さとその大きさを、2つの純音で模倣させる心理実験を行った。
これらの音響特性と心理実験の結果を対応させた結果、ホ-ミ-で知覚される低く一定した高さは基本周波数に対応しており、メロディーを形成する甲高い音の高さは第2ホルマントによって鋭く共振された特定の倍音の周波数に対応することが分かった。また、メロディー音がいかに明確に知覚されるかには、共振された倍音の強さそのものではなく、近隣の成分との相対的な強さの差が重要であることが分かった。さらに、ホ-ミ-音の知覚に以下にような過程が含まれることが示唆された。聴覚に入力されたホ-ミ-音の音響情報は聴覚末梢系でスペクトル解析され、その後、高次過程において、このスペクトルを内包するようななめらかなエンベロープを抽出しようとする。しかし、周囲に比して特定の部分音の強さが強いと、このエンベロープからはみ出る部分が生じる。このはみ出した部分と、エンベロープに内包された部分とが分凝し、別々に知覚されると考えられる。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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