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日本華僑社会における中国伝統文化の構造と変容に関する研究-函館市を事例として

研究課題

研究課題/領域番号 05710187
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 文化人類学(含民族学・民俗学)
研究機関弘前大学

研究代表者

高橋 晋一  弘前大学, 人文学部, 助手 (10236284)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード華僑 / 日本化 / エスニック・アイデンティティ / 一世・二世・三世
研究概要

函館の華僑社会は現在32世帯からなっているが、国内の他の華僑社会に比べると規模が小さい。華僑は多くの場合、移住地においてチャイナタウンを形成し、そこに集住する傾向にあるが(例えば横浜や長崎)、函館の場合、華僑はチャイナタウンを形成せず、市内全域に分散して居住している。これは華僑の人数が少なかったこと、函館華僑のほとんどが行商を主な業とする福建省福清県の出身者であったことなどによるものであろう。
現在、函館華僑が出身地である中国本土からもたらした伝統的な文化は大きく変化している-すなわち日本化の一途をたどっている。現在、函館華僑社会において行われている主な中国の伝統行事としては、4月の清明節、関帝の誕生祭(6月)、8月の中元節がある。清明節および中元節には、中国人墓地に集まって祖先供養の儀礼を行い、その後みんなで会食をする。これらの行事は華僑一世を中心に行われており、二世・三世といった若い世代の人は関心が薄く、参加率はあまり高くない。また儀礼は僧侶を呼んで仏教式に行うなど、儀礼内容の日本化が著しい。かろうじて紙銭を焼く風習、参拝方法などに中国方式をとどめている。
このように伝統文化を失いつつある函館華僑社会では、「中国人」としてのエスニック・アイデンティティは特に若い世代で急激に薄れている。一世の人達は、中国語を話し、大陸に里返りするなど、中国とのつながりを失っていないが、二世、三世になると大きく価値観が違う。例えば一世は、華僑同志結婚するのが望ましいと考えているが、二世、三世ではそのような意識は低い。伝統行事も次第に形式化しつつある。このような世代間のギャップを超えて自分達の文化を改めて見直し、継承・創造していく道を見いだすことが、今後の函館華僑社会の大きな課題となっていくるものと思われる。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書

URL: 

公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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