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院政期の歌学書に関する文学史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05710264
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 国文学
研究機関名城大学

研究代表者

佐藤 明浩  名城大学, 法学部, 講師 (20225915)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード院政期 / 歌学 / 源俊頼 / 俊頼髄脳 / 藤原清輔 / 奥義抄
研究概要

院政期の歌学書につき、資料調査およびその整理に基づいて、とくにその内容と和歌実作の関わりを検討することにより、文学史の記述に関わる知見を得、2本の論文に成果の一部を発表した。
1.資料調査は『俊頼髄脳』『奥義抄』を中心とし、伝本を披見して書誌カードに記録を収め、また紙焼写真等を蒐集した。ほかに『綺語抄』『和歌童蒙抄』『袋草紙』についても、若干の調査・資料蒐集を行った。これらの資料・記録をもとに本文研究を手がけているが、いまだ整理作業の途上である。
2.上記の資料を利用しつつ、『俊頼髄脳』に記載されている難義語等に関する歌学的知識が実作とどのように関わっているのかを、平安時代・鎌倉時代の作品を中心に調査した。これをデータ・ベース化した資料を作成し、検討を加えた結果、次のような知見を得た。
(1)『俊頼髄脳』の著者源俊頼(12世紀初頭に活躍)の実作には同書に記載されている歌学知識に関わる表現が頻繁に用いられている。その様相を探究することにより、彼の時代には新しい歌ことばを拓いていく動向にそくして、歌学知識の記述が必要となり、それが蓄積されていったのだという見通しを得た。
(2)次世代の藤原清輔・藤原俊成の時代(12世紀中〜後期)になると、上記の様相が変化し、蓄積された知識のなかで正しいもの何なのかを示すことが重要課題となり、清輔著『奥義抄』と彼の実作および藤原俊成の説と実作との関係を検討することによって、実作をもって説の正しさを強調する場面も現れてくることを指摘した。
(3)上記により、歌学知識の位相に史的展開があることおよびその具体相がある程度明らかとなり、院政期の和歌文学史を記述するさいには、これに充分留意する必要があると考えるにいたった。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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