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イニゴ-・ジョーンズ研究

研究課題

研究課題/領域番号 05710282
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 英語・英米文学
研究機関東京工業大学

研究代表者

篠崎 実  東京工業大学, 工学部, 助教授 (40170881)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードイニゴ-・ジョーンズ / 宮廷仮面劇 / ベン・ジョンソン / 遠近法 / scena ductilis / machina versatilis / 演劇の政治性
研究概要

イニゴ-・ジョーンズの宮廷仮面劇における具体的成果は、(1)遠近法を用いた書割の導入、(2)舞台装置転換の技術の開発であった。これらはともに、宮廷仮面劇という演劇形式の本来の目的に関わる意匠となっている。(1)が仮面劇の本来の目的に関わるというのは、遠近法を用いた書割は消失点に対座する位置に玉座を決定することができ、そのような観客席の構成を持つ劇場こそが国王の身体の呈示という宮廷演劇の目的にふさわしいものだったからである。一方、(2)は、ジェイムズ朝時代にジョーンズとともに宮廷仮面劇の形式的完成に功績があった劇作家ベン・ジョンソンが作り上げた仮面劇の台本の構造と一致するものであった。ジョンソンが仮面劇に導入した革新は、アンティマスクとマスク・プロパ-からなる二部構造の確立であった。国王の美徳を示すヴィジョンに先立って、克服されるべき望ましくない状態を示すのがアンティマスクである。ジョーンズが仮面劇に導入した2種類の舞台転換の装置scena ductilisとmachina versatilisは、アンティマスク部分からマスク・プロパ-部分への移行を大がかりな舞台装置の転換によって分節化する機能をはたしたのである。こうしたことは、演劇に導入された技術革新が政治的含意を持ち得ることを示し、オ-レリアン・タウンゼンドやウィリアム・ダヴナント、ジェイムズ・シャーリ-らがジョーンズの主導のもとチャールズ朝時代に制作した仮面劇の台本の露骨な政治性とともに、演劇が持つ政治性の一端をうかがわせるものである。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 篠崎実: "「詩人と貴族-『ペンズハーマストに寄せて』における詩学と政治学」" 玉泉八州男編『ベン・ジョンソン』. 285-311 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 篠崎実: "「プロスペロ-の本-『嵐』をめぐって」" 東京工業大学人文論叢(予). 20. (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 篠崎実: "「アン王妃の『奇怪なスペクタクル』-『女王たちの仮面劇』をめぐって」" 富山太佳夫編『新歴史主義』(予). (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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