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方位のメタファー -ウィリアム・ブレイクの「時」-

研究課題

研究課題/領域番号 05710297
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 英語・英米文学
研究機関岐阜市立女子短期大学

研究代表者

川崎 則子  岐阜市立女子短期大学, 英文学科, 講師 (10214628)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
キーワードウィリアム・ブレイク / 方位 / 時間 / 詩 / イギリス・ロマン派
研究概要

ブレイクの「時間」は、永遠相(時に、円、球、太陽等で表わされる)から現象相(時に方形、方体、絵の枠自体等で表わされる)への展開の一様相であるとみることができるが、その抽象イメージが、三角形の二辺に、また、その具象イメージが、コンパス、火箸、ハンマー、絡み合う二本の木、蛇、屋根の稜線)などに託されている。現象相(時間相)は、また、永遠相を起源に持ち、不完全ながら、その諸特性を投影したものであることから、永遠相に因んで、円、球、太陽等で表わされることがある。それらの様々な動き、即ち、回転、振幅、螺旋、及び方位を指標とする動き等が、「時間」の「拍動(パルス)」を構成し、永遠相、時間相双方の象徴となりうる太陽(心臓)の拍動と捉えられている。
尚、以上の解明により、ブレイクにおけるコンパスが単に誤れる理性を象徴するという、従来の一面的な解釈では、説明に無理があり、謎とされてきた、「十字架上に眠るキリスト」「大工の家の少年キリスト」「ヤコブの夢」等におけるコンパスの意味が明らかになった。
特に方位について、現象相では、東→南→北→西、或いはその逆方向の8の字ベクトルが見られ、また、永遠相及び擬永遠相では、北→南→西→東、或いはその逆の8の字ベクトルが見られる。西方位は、特別に、永遠相への通路、転換点であるという特質を持つ事から、独自に、東→南→西→北(或いはその逆)のベクトルを持っている。これらのひと巡りとしてのパルスが、“divide & unite at will",“folding & unfolding",“according to their will"等の反復的動きを暗示する詩句に、多彩に言語化されている。この方位と時間との関わりは、奇しくも中国の易経と相通ずる。又、南北の軸は「構成」、東西の軸は「通路」を象徴する事も判明した。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 川崎則子: "エデンは北か-デイモンの『ブレイクディクショナリー』再考-" お茶の水女子大学人間文化研究年報. 第17号. 42-56 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 川崎則子: "サタンの超克-ブレイクの『ミルトン』について-(5)" 岐阜市立女子短期大学研究紀要. 第43輯. 9-16 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 川崎則子: "方位のメタファー -ウィリアム・ブレイクの「時」-(日本英文学会第65回全国大会口頭発表報告)" 英文学研究. 第70巻2号. 305-306 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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