研究課題/領域番号 |
05730012
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済統計学
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
照井 伸彦 山形大学, 人文学部, 助教授 (50207495)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | リミットサイクル / 非線形時系列 / Exponential ARモデル |
研究概要 |
これまで経済理論の上で、景気循環を非線形微分方程式よって表現し、景気の上昇と下降のサイクルに非対象性をもたらすリミットサイクルの概念が議論されてきたが、その理論的展開から実証分析可能なようなモデルへの変換およびその統計的検証は行われてこなかった。本研究では非線形微分方程式の離散化を目指しリミットサイクルの存在条件を明示的にモデルの係数の制約をしてあらわれるExponential Autoregressive(ExrAR)モデルを扱った。 GNP、失業率などのマクロ経済時系列の定常性への変換モデルとして、決定論的トレンド回りで定常(Trend Stationariy(TS))および差分をとったものが定常(Differenece Stationary(DS))の2種類の定常性のモデルを考慮し、それぞれExrARモデルにあてはめ、マクロ経済時系列にリミットサイクルが存在するか否かを統計的に推測した。リミットサイクルの存在に関する必要条件および十分条件は、非線形時系列モデルの係数パラメーターに関する非線形な制約として表されており、ベイズ統計学の手法によりそれらの緒条件に対する統計的推測の理論的展開および手続きを与えた。実証分析としてアメリカのGNP(季節調節済み四半期データ:1960年第1四半期-1989年第4四半期)及び失業率(季節調整済み月次データ:1960年1月-1979年12月)に関して、ExrARモデルにあてはめ、データからパラメーターの推定を行い、リミットサイクル存在条件に関する命題が個別あるいは同時に成立する事後確率を評価した。その結果、TSモデルにたいして、GNPに関しては、必要条件:0.015、十分条件:0.179そして必要十分:0.002と評価され、失業率に関しては、必要条件:0.302、十分条件:0.130そして必要十分:0.031と評価された。両者ともリミットサイクルの存在を支持する程ではないが、失業率ほ方がより理論モデルと整合的といえる。
|