本研究の結論とし、ニューラルおよびファジィ・ニューラルの手法は経営学関係の課題に十分に利用できるということである。ただし、その応用方法を性格に考える必要がある。ファジィ・ニューラルの場合はファジィ・データベースの開発に応用が可能であるが、経営関係のかなり重要になるニューラル手法の応用は一般問題解決および意志決定のためのエキスパートシステム開発などに使える機械学習ということである。つまり、従来のエキスパートシステムに普通は知識工学論を応用したが、人間が作れる知識ベースにきりがある。最近まで、多くのエキスパートシステムの知識ベースはルール型であった。処理したい知識の分野が規則のかたちで表現しやすい場合はこれはそれほどに問題にならないが、ある分野ではそういう表現は不可能に近いのである。その場合はニューラル・ネットワークによる機械学習の重要な応用になる。具体的にその応用は2種類がある。1つはエキスパートシステムと合わせて利用するファジィ集合のメンバーシップ関数を定義するためである。これは自動制御でいえばニュロ・ファジィであるが、経営関係のエキスパートシステムに同じような手法も利用できる。2つ目の種類は実際、エキスパートシステムの規則と推論エンジェンのかわりにニューラル・ネットワークを利用することである。より強力の知識ベースの開発に機械学習が必要になる。本研究では財政データから機械学習によって知識ベースを作る方法を考えて、実例もできた。具体的に学習にバックプロパゲーション法を利用したが、中間層が必要になる応用もあれば必要ではない応用もある。従って、新しい応用があれば、まず中間層のないネットワークでいくかどうかためすことである。本研究のネットワークのアクチベーション関数にシグモイド関数で、ベース関数に線形関数を利用した。その上で、機械学習の最適化問題への応手法に関する実例もできた。
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