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メインバンク制と銀行の収益性に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05730046
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 財政学・金融論
研究機関長崎大学

研究代表者

深浦 厚之  長崎大学, 経済学部, 助教授 (50218872)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワードメインバンク / 委託されたモニタリング
研究概要

本研究は銀行が特定の借手のメインバンクになることによってどのような便益を享受しうるのかを実証的に検討するものである。そのため、有価証券報告書を用いて銀行の融資関係に関するデータを作成し、その後多変量解析により分析を行った。得られた結果および解釈は次の通りである。
1.主力銀行(都銀・長期信用銀行・信託銀行)については、メインバンク関係の強度は利潤と正の相関関係を持っている。しかし、上位都銀は融資シェア一位という意味でメインバンクになっている顧客件数が重要であるのに対して、中下位行は融資順位二位以下である顧客、たとえば強調融資行になっている顧客数が利潤と強い関係を持つ。融資残高とは有意な関係には無い。
2.地銀の利潤は顧客数ではなく融資残高と有意な関係を持っており、主力銀行と対象的である。
これらの結果から、
(1)顧客件数を増加させて貸出先の分散をはかり、それにより預金者のリスクを受入れるという「委託されたモニタリング」機能の存在が予想され、日本ではそれがメインバンク制として実現しており、(2)主力銀行は資産運用上のリスク情報を顧客構成(特に安定的な顧客の数)を通じて預金者に発信しているが、地銀は貸出残高を発信経路としている、と議論できる。この情報発信経路の相違は金融自由化の影響による。すなわち、主力銀行にとって利潤機会としての伝統的仲介業務はすでに飽和点に近づいており、直接市場関連業務を視野にいれた金融サービスの提供が模索されているのに対し、地域性に制約されざるを得ない地銀にとっては仲介業務が依然中核となっているのであり、こうした経営戦略の相違がメインバンク関係にも反映されるのである。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 深浦 厚之: "企業の直接調達とメインバンク関係" 経営と経済. 73. 57-90 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 深浦 厚之: "クレジットカードの決済機能について" クレジット研究. 11(校正済み、印刷中). (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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