研究課題/領域番号 |
05740002
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
日比 孝之 北海道大学, 理学部, 助教授 (80181113)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 半順序集合 / Cohen-Macaulay環 / Stanley-Reisner環 / Cohen-Macaulay型 / modular束 / Betti数列 / Mobius函数 / 極小自由分解 |
研究概要 |
Cohen-Macaulay環が与えられたとき、その環のCohen-Macaulay型を計算し、規準加群の極小生成系を具体的に記述することは、可換代数における重要な課題である。我々の研究目的は、有限半順序集合Pに付随するStanley-Reisner環k[P]がCohen-Macaulay環であったとき、k[P]のCohen-Macaulay型をPの組合せ論から計算し、更に、k[P]の規準加群の極小生成系を探すことであった。当該研究では、Cohen-Macaulay型のみを考察の対象とするのではなく、k[P]の極小自由分解に現れるBetti数列に着目して幾つかの研究活動を展開した。我々は、Cohen-Macaulay半順序集合Pで、k[P]の極小自由分解が純であるものに興味を覚え、そのようなPを完全に分類することに成功した。一般に、極小自由分解が純であればBetti数列の計算は著しく簡潔であるから、Betti数列の最後の項であるCohen-Macaulay型も直ちに計算できる。他方、我々は、modular束PのStanley-Reisner環k[P]のCohen-Macaulay型をPのMobius函数で計算するための組合せ論的公式を既に得ていたが、更に、その公式が成立するようなsemimodular束の特徴付けに挑戦し、幾つかの部分的な進展があった。同時に、Pがsemimodular束のとき、k[P]のCohen-Macaulay型の上限をPに含まれる鎖を使って評価する公式が得られた。任意のCohen-Macaulay半順序集合のCohen-Macaulay型の下限は既知であるが、その上限を評価することは、通常、著しく困難である。そのようなCohen-Macaulay型の上限を評価するための効果的な組合せ論的公式を探究するとともに、Cohen-Macaulay型が基礎体の標数とは無関係に定まるようなCohen-Macaulay半順序集合を分類することは、将来の重要な研究課題である。
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