1.シンプレクティックLie群Sp(2n;R)の調和振動子表現をFock空間上に多項式係数の微分作用素として実現する。この調和振動子表現を何階かtensor積することによりユニタリ最高weight表現がその部分表現として得られる。この表現は完全可約であって、実現のしかたから表現の作用素は微分作用素として与えられている。 以上の性質を用いてユニタリ最高weight表現のK-type等の構造を調べた。まず一番簡単な場合として定数関数から生成されるような特異ユニタリ最高weight表現が考えられるが、この表現についてK-typeを具体的に求め、その指標を計算した。この結果自体は実は米国T.Enrightにより既に得られていることが判明したが、 (1)指標の計算方法がまったく異なること、および、 (2)計算課程が自然にp_+-homologyの低ランクのsymplectic群Sp(2(n-1);R)への制限を記述すると読みなおされること からそれ自身面白い結果である。この結果は「日本学術振興会・シンガポール国際大学合同セミナー」において発表した。 2・Cartan型のLie代数W_nについてその自然表現のm階のtensor積を考える。このtensor積表現におけるW_nの可換子環の構造を研究し、m<__-nのときには具体的に決定することに成功した。 この結果は論文にまとめて現在“Journal of Mathematics of Kyoto University"に投稿中である。さらにこの結果をm>nの場合やLie超代数の場合などに拡張すべく現在研究中である。
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