研究概要 |
[1]超幾何函数の値の数論的性質について この研究の第1段階として、まずM.Haasの導入した函数【numerical formula】の値の数論的性質を調べる事が重要である。これに関しては、函数【numerical formula】の無理数論の立場からの研究に効力を発揮した、複素函数論的に深められたO.Perronの方法の変形が適用できる事が明らかとなった。この解析的枠組みにより、ある程度満足できるH(z;q)の有理点における一次独立測度が得られ、結果は現在英文論文"A measure for the linear independence for values of certain series"として準備中である。 今後は上の研究で得られた知見をもとにH(z;q)より一般のGauss,Heineの両超幾何級数を融合した形の級数の値の数論的性質を究明したいと考えている。 [2]Hurwitz zeta-函数の二乗平均の漸近的振る舞いについて 上の研究と並行して本年度はHurwitz zeta-函数zeta(s,alpha)のパラメタalphaに関する連続型【numerical formula】及び離散型【numerical formula】の二種類の二乗平均のIms→+∞における漸近挙動を研究し、双方ともほとんど最良に近い形の漸近展開を得る事に成功した。そして現在連続型I(s)の漸近展開の導出の詳細については論文"Explicit formulas and asymptotic expansions for certain mean square of Hurwitz zeta-functions I"(岩手大学・松本耕二氏との共著)としてまとめられ欧文学術雑誌に投稿中である。 今後は、alpha>0を固定しzeta(s,alpha)の虚軸方向への平均【numerical formula】における漸近挙動を研究する予定である。
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