3次元ユークリッド空間内の螺旋面の一般化として、4次元定曲率空間内の測地線を葉とする葉層構造をもつ極小超曲面を構成した。また、3次元ユークリッド空間内の回転面の一般化として、一般の次元の双曲空間内の極小超曲面で直交群の積O(p)×O(q)の自然な作用で不変なものを構成し、それらの無限遠点における挙動(漸近境界)による特徴付けを与えた。さらに、名古屋工業大学の前田定広氏とともに複素射影空間内の実超曲面を研究し、Ricci曲率の共変微分の長さに関する不等式を与え、等号が成立つのは測地的超球に限ることを示した。そして、複素射影空間内の実超曲面で、構造ベクトル場xi方向のRicciテンソルのLie微分が消えるものをすべて決定した。 その後、複素射影空間内の実超曲面に関して、接空間の正則部分空間上で概接触構造phi型作要素Aが可換であるような非等質の例をたくさん構成し、その部分的な特徴付けを与えた。さらに、種々のテンソルの可換性から非等質なものまで含めた複素射影空間内の実超曲面の特徴付けを得た。そして、複素射影空間P^n内のKahler部分多様体への螺旋面の一般化として、P^1からP^<n-2>への正則写像から得られるKahler曲面を考察し、そのスカラー曲率による全測地的P^2と二次曲面Q^2の特徴付けを与えた。最後に、複素射影空間P^n内のruled Kahler部分多様体の合同類と複素Grassmann多様体内の正則曲線の合同類が1:1に対応することを示し、それぞれのスカラー曲率とガウス曲率の関係を調べた。
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