研究課題/領域番号 |
05740087
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高木 啓行 信州大学, 理学部, 助手 (20206725)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 荷重合成作用素 / 乗法作用素 / Fredholm作用素 / コンパクト作用素 / Hardy空間 |
研究概要 |
今年度も、昨年度にひきつづき、種々の具体的な空間において、その上の荷重合成作用素の性質を調べた。以下、得られたことを3つにわけて報告する。 まずはじめは、連続関数の空間C(X)上の荷重合成作用素uC_¢:f→u・(fo¢)についてである。今回は、この作用素uC¢がFredholm作用素になるための必要十分条件を与えた。この条件は、定義域Xの孤立点に関連して述べられる。そして、Xが多様体のようなきれいな性質をもつとき、この条件は、非常に明解なものとなり、ひいては、uC¢がFredholm作用素になることと、可逆であることが、同値になる。この同値性は、実は、非原子的な測度によるL^P-空間(1(8169816C)_<16>SY.ltoreq.(816B816A)_<16>p<∞)上の荷重合成作用素に対しても成立する。このことは、R.K.SinghとT.Veluchamyの結果の拡張でもある。 2番めは、作用素からなる空間上の荷重合成作用素に関するもので、R.K.Singh及びB.Singhとの共同研究である。作用素の空間をとりあげた理由は、非可換Banach環上の荷重合成作用素に対する疑問や興味と、それらの研究がほとんどみられないことによる。ここでは、距離づけされた局所凸空間上の連続線形作用素の空間をとりあげ、その上の荷重合成作用素が連続になるための必要十分条件を与えた。 3番めは、解析関数からなる空間を扱うもので、上述の2件とは少々趣きが変わる。H^∞(D^n)を、多重開円板D^n上の有界正則関数全体の空間(Hardy空間)とするとき、H^∞(D^n)上の荷重合成作用素がコンパクトになるための必要十分条件を与えた。n=1の場合は、すでに解決ずみであったが、今回は、その証明のワンステップを別の方法で回避することで、n(8169816C)_<16>SY.gtoreq.(816B816A)_<16>2の場合まで、一般化したものである。この結果はさらにベクトル値正則関数の空間の話題にまで発展できそうなので、現在考慮中である。
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