研究概要 |
鈴木信行氏と共著論文Some super-intuitionistic logics as the logical fragments of equational theories,Bulletin of the Section of Logic,22(1993)106-112.において、拡張されたKripkeの意味論で完全であるような超直観主義論理のある類を考えることと、中間述語論理上の等号のみを持つ理論を考えることは本質的に同等であることが明らかになった。 これにより、既に鈴木氏が与えたKripke枠の意味論では完全ではないが拡張されたKripkeの意味論では完全でしかも有限公理化可能な超直観主義論理がなぜ得られたのかを合理的に説明することが可能になり、しかもそのような論理の新たな例がほとんど自動的に生成できることになった。 また中間命題論理の研究では、完全性よりも強い概念である強完全性と呼ばれる概念についての解析を行ない、V.B.Shehtmanにより完全であるが強完全ではない論理の具体例が本質的には与えられていたことを指摘し、さらにその間の証明を分析、一般化することで中間命題論理が強完全であるための必要条件を有限Kripke枠とその間のp-morphismと呼ばれる写像のなす逆系の持つ性質により与えることができることがわかった。 加えてその条件は局所有限と呼ばれる論理に対しては強完全であるための十分条件でもあることを示すことができた。 一方でこの必要条件を満たさない完全な論理が数多く存在することを示すことができ、完全であるが強完全ではない論理の新たな例を与えることができた。特にShehtmanにより強完全ではないことが示されていた論理と直観主義論理との間には強完全な論理は存在しないという驚くべき事実が明らかになった。 この結果については日本数学会秋期総合分科会において、「中間論理が強完全であるための必要条件」の題で口頭発表を行った。
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