研究概要 |
研究目的は:「量子力学において重要な正準交換関係の拡張となるWigner型交換関係にしたがうn次元調和振動子の運動量作用素-iDk、ここでD_k=(delta)/(delta)-c/(xk)(k=1,2,…,n)またR_kf(…,x_<k1>,…)=f(…,-x_k,…)、Cは実数のパラメーターについて、上記のような特異項1/x_kをもつ作用素Dkに関するSobolev流の空間H^mやW^mの構成を行う。これに基づいて拡張された意味での楕円型作用素〓D^ka^<k;l>(x)D^l、D^k=(D_1)^<k1>(D_2)^<k2>…(D_n)^<kn>、k=k_1+k_1+…+k_nに関する、regularityの定理として知られているところのSobolevの補助定理、並びにFriedrichs-Lax-Nirenbergの定理に対応するものを導く。」ことであった。当該年度においては、n=1の場合すなわち1次元の場合について研究を行った。(2次元以上の場合は次年度以降の課題である。)まず微分作用素delta/deltaxのかわりにD=delta/delta-(c/x)Rを用いたノルムによって、C^m(R^1)からつくった空間を定義しH^m(R^1)のような空間を構成した。これを〓^m(R^1)と記す。この関数空間に関するSobolevの補助定理に対応する定理を証明した。定理:OMEGAはその閉包がコンパクトでR^1に含まれるような開集合とする。このとき、〓^m(〓^1)に属する関数uに対してC^<min(m-1,[C])>(OMEGA)又はC^<min(m-1,C-1)>(OMEGA)に属する関数upsironが存在して、OMEGAの上でほとんど至る所でu(x)=upsiron(x)が成立する。現在はこの成果を発表準備中である。
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