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高速回転する原子核のカスケード電磁遷移とカオス的性質

研究課題

研究課題/領域番号 05740176
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
研究機関京都大学

研究代表者

松尾 正之  京都大学, 基礎物理学研究所, 助手 (70212214)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード高速回転する原子核 / 回転減衰 / E2遷移 / カオス
研究概要

この研究では、高スピン・高励起領域の変形原子核の性質を「回転する殻模型」という微視的モデルを用いて理論的に分析することを主たる目的としていた。特に、「回転する殻模型」から得られるカスケードガンマ線の多重相関を分析することによって系の性質、特にカオス性についての知見を得ることを目指した。一年間の研究によって得られた成果は以下のように要約される。
1.イラスト線近傍の準位統計の分析を行った。この結果、イラスト線近傍では、原子核状態は「カオス(=乱雑行列理論から帰結されるWigner分布)」と「規則(=ポアソン分布)」の中間的様相を示すことを理論モデルは予言する。従前の解析結果とあわせると、カオス性のエネルギー依存性は、(1)回転バンド構造が存在するイラスト近傍では、カオス性と規則性の中間にある、(2)励起エネルギーが約1MeV程度以上では、回転減衰が発現するのに併せて、カオス性が増大する。(3)約2MeV以上で励起状態はカオス的になる。
2.E2遷移ガンマ線の二重相関関数を求め、そのプロファイルと励起エネルギー依存性を分析した。(1)励起工ネルギー1MeV以下では、回転バンド構造が存続していることに対応して相関はデルタ関数的である。(2)1MeVから2MeVの間では、相関関数がニつの成分(約100keV程度の幅をもつ成分と30keV程度の狭い幅をもつ成分)をもつという新しい現象を示す。大きい幅の成分は回転減衰の幅と解釈できるが、狭い幅の成分は従来予想されなかった。(3)2MeV以上では、狭い幅の成分は消滅する。
3.以上のことから、(1)E2遷移ガンマ線の二重相関関数には狭い幅をもつ新しい成分が実験でも現れることが予想される、(2)狭い幅の成分は、カオス性が不完全な状況で発現する現象であるので、狭い幅の成分は「規則-カオス転移」に対する重要な指標になる、のニ点が結論される。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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