研究課題/領域番号 |
05740178
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
幅 淳二 大阪大学, 理学部, 助手 (60180923)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | CCD / フラッシュADC / シンチレーションファイバー / シリコンマイクロストリップ検出器 |
研究概要 |
本研究では、多チャンネルのアナログ情報を時間的に多重化し、単一のデジタル変換器を用いて処理することについての、基礎的な開発研究を行った。こういった処理方法が、特に必要となる応用として、!CCDカメラから出力される画像情報を、数十万個の画素(チャンネル)からの多重化情報とみなすことで、フラッシュADCにより順次デジタル変換していくもの、シリコンマイクロストリップ検出器の、最大数千チャンネルにものぼるストリップからのアナログ情報を、前置増幅・多重化を行うLSIを使って読み出し、単一のフラッシュADCによって処理することを考える。 前者については、高速のコンパレータと1024の奥行きを持つ高速FIFOメモリーからなるプロトタイプ回路を、CAMAC規格のモヂュ-ルとして製作した。これを使うことにより、シンチレーションファイバー束の断面につながれたCCDカメラからの情報をリアルタイムに処理し、宇宙線の飛跡をとらえることに成功した。後者については、前置増幅、時分割多重化のできるVLSI(MX-3)をシリコン検出器の読み出し電極(ストリップ)にとりつけ、パーソナルコンピュータのバスに直結されたフラッシュADCにより、高速の信号処理をさせることで、最大毎秒2560以上のアナログ信号を処理することができた。尚これらのデータ処理には、備品として購入された、パーソナルコンピュータ一式が使用された。 以上の、プロトタイピングに基づく検討により、以下の諸点が明らかとなった。 1)多重化を活用した、アナログ信号処理は、極めて有効である。これにより、信号の伝送系、処理系の大幅な簡素化が図れる。 2)多重化された信号の伝送系には、さらに最適化が必要である。 3)スパーシフィケーションの機能を内蔵した専用ADCの開発が必要である。これは、高速の汎用バス(たとえばVMEなど)のモヂュ-ルとして現実されるのが望ましい。
|