研究課題/領域番号 |
05740179
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
瀧田 正人 大阪大学, 理学部, 助手 (20202161)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | スーパー神岡実験 / 神岡実験 / 太陽ニュートリノ / ラドン222 |
研究概要 |
1996年4月にデータ取得予定のスーパー神岡実験(総重量5万トンの超大型水チェレンコフ測定器)では、データ解析のエネルギー閾値を現行神岡実験(総重量4500トンの大型水チェレンコフ測定器)の7.5MeVからMeVに下げて一日23事例の太陽ニュートリノを観測し、そのエネルギースペクトラムの精密測定を行い、ニュートリノに有限の質量と混合が存在するかどうかという素粒子物理学の最重要課題の1つにせまる。さて、そのためには5MeV程度のエネルギー領域で実際の背景事例が何であるかを理解せねばならない。今までの神岡実験の経験からその背景事例の大半は測定器に外部から混入してきたラドン222であると推測されていた。本研究では、現行神岡実験測定器にラドン222わかった水(12000〜19000Bq/m^3)を1.05トン注入した。その結果。通常計測される背景事例の約30倍のラドン222の信号が得られ、ラドン222に対する検出効率は5MeVで約2×10^<-5>であることが初めて実験的に測定された。また、4〜6MeVのエネルギー領域における背景事例のエネルギースペクトラムはラドンの222のエネルギースペクトルと良い一致を示し、現行神岡実験の水中のラドン222の濃度は0.17±0.07Bq/m^3以下であり、ほとんどがラドン222による背景事例で説明できることが判明した。スーパー神岡実験で実際5MeVに解析エネルギー閾値を下げるためにはラドン222の濃度を20分の1程度に減らさねばならない。そのラドン222がいかなる経路を通じて測定器に混入してくるかを突き止めて、ラドン222濃度を現行神岡実験の20分の1以下にするのが今後の大きな研究課題の1つである。備品で購入したハードディスクとラップトップ型計算機を大阪大学のワークステーションに接続して、今回の解析は成された。
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