• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

電弱理論におけるバリオン数非保存散乱過程

研究課題

研究課題/領域番号 05740182
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
研究機関佐賀大学

研究代表者

船久保 公一  佐賀大学, 理工学部, 助手 (60221553)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードバリオン数生成 / 電弱標準模型 / 有限温度相転移 / CP非保存
研究概要

本研究の当初の目的は高エネルギーでのバリオン数非保存過程を調べることであったが、前年度にO(3)非線形シグマ模型に適応した方法を4次元のSU(2)ゲージ・ヒッグス系に適用し、散乱断面積を10TeV(sphaleron mass)まで求めることが出来た。結論は、低エネルギーではinstantonによる抑制のために観測可能なほどの断面積にならず、高エネルギーではsphalaronが効いて大きくなるという議論があったが、そのような配位を作り出す確率が小さくなり、断面積は低エネルギーの場合と同程度の大きさにしかならないことが示された。
電弱理論におけるバリオン数非保存過程は高温ではenhanceされることが知られているが、これを用いて宇宙のバリオン数を生成する可能性が指摘されている。一般に宇宙のバリオン数を作るには、非平衡・CP非保存・バリオン数非保存過程が必要であるが、電弱理論はその相転移が1次であればこの3条件を満たすことが出来る。我々はmassless two-doublet Higgs modelでの電弱相転移を調べた。この理論は有限温度での有効ポテンシャルを摂動論的に計算した場合に複素数になるという困難がない。摂動論的に有効で、且つHiggs massが実験と矛盾しないという制限の下で調べた限り相転移は1次であることが分かった。更に、バリオン数生成に関係するcritical bubbleの厚さも評価した。
このbubbleでフェルミオンの反射率の差が生成されるバリオン数を評価するのに重要な量であることが知られている。我々は、Dirac方程式を歪曲波ボルン近似で解くことにより、bubble wallの任意のprofileに対してCP位相の1次までの近似で反射率を与える表式を構成した。これに関する論文は現在投稿中である。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Koichi Funakubo: "Scattering with Baryon Number Violation" Progress of Theoretical Physics. 89. 881-893 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Koichi Funakubo: "The Effective Potential of Electroweak Theory with Two Masless Higgs Doublets at Finite Temperature" Progress of Theoretical Physics. 91. (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

URL: 

公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi