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比熱測定によるSr^2CuO^2Cl^2の磁気秩序状態の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05740226
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
研究機関京都大学

研究代表者

小山田 明  京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 助手 (60211835)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード比熱 / 2次元ハイゼンベルグ / スピン波
研究概要

当初の予定どおりSr^2CuO^2Cl^2の試料作りに成功し、物性測定を可能にした。さらに自作の試料ホルダーと申請した設備備品により比熱測定を行った。低温でアコースティックフォノンの寄与を見積りそれを差し引くことによって比熱の磁気的寄与を求めた。その結果以下のことが明かになった。
この物質の特徴は、マグネティックモーメントを持つCu原子が非常に良い2次元正方格子を組んでいることである。比熱測定より低温まで構造相転移が存在せず確かに低温まで良い2次元正方格子を組んでいることが確かめられた。
従来この物質での磁気秩序状態は、ハイゼンベルグ模型におけるスピン波モデルで説明できるという立場と、臨界的散乱で説明できるという立場のニつがあった。しかし今回の比熱測定から磁気秩序状態はスピン波モデルで良く説明されることがわかった。また比熱から見積もられた交換相互作用はNMRから見積もられた値とほぼ一致した。このことは最近中性子散乱の実験から、転移温度以上でスピン波モデルが良く合うと主張されていることと相補的である。これらのことからスピン相関の発達は、スピン波モデルで説明できると考えることができる。磁気秩序はわずかな3次元性で引き起こされる。NMR測定から転移温度近傍で緩和時間に臨界散乱的な振る舞いが見いだされ、磁気秩序を与えるわずかな3次元性に起因するものと考えられる。ただしこの点については他の解釈もありスピン相関の転移温度近傍での発達は、今後の課題となっている。
また50K付近で何らかの相転移があることが報告されていたが、比熱にはそれに対応した異常が存在しないことがわかった。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2020-05-15  

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