研究課題/領域番号 |
05740227
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 逸郎 京都大学, 理学部, 助手 (40210520)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | アモルファス合金 / Al-La-Cu系 / 光反射率 / EXFAS |
研究概要 |
増本、井上のグループ(東北大、金研)によって発見されたAl-La-Cu系アモルファス合金は、明瞭なガラス転移を示し、約70℃にも達する広い過冷却液体域を持つことが知られている。 このAl-La-Cu系アモルファス合金の安定性に構造と電子状態がどの様に関っているかを明らかにするために、Cu濃度を30%に固定してAlとLaを置換した組成Al_XLa_<70-x>1Cu_<130>(0≦X≦30)及びLa濃度を55%に固定してAlとCuを置換した組成Al_YLa_<55>Cu_<Y-45>(5≦Y≦40)のリボン状試料を単ロール型液体急冷装置を用いて作製し、光反射率、EXAFS、電気抵抗、帯磁率等の測定を行い、以下の知見を得た。 1.電気抵抗の値はAl濃度の増加と共に増加し、その温度係数はAl濃度20%を境に正から負に変わる。また帯磁率の値は常磁性てあり、Al濃度の増加と共に減少する。これらの結果は、フェルミ準位での状態密度がAl濃度の増加と共に減少することを示す。 2.反射率より導出した光学伝導度スペクトルは、La_<70>Cu_<30>では約2.2eVと約5.5eVにピークを持つが、Al濃度の増加に伴い、それぞれ低エネルギー側と高エネルギー側にシフトする。また、測定エネルギー範囲て伝導度の値は増加する。この結果は、Cu3dバンドとAlspバンドの混成がAl濃度の増加と共に増加することを示す。 3.EXAFS測定より導出したCu-LaとCu-Alの結合距離は約3.0Åと約2.45Åであり、Al濃度にほとんど依らない。またCu-Alの配位数はAl濃度20%以上で急激に増加するのに対し、Cu-Laの配位数はX=0の約7からX=15の約5まで減少した後、横ばいになる。この結果はAl濃度が増加してもCu-Laの短範囲秩序が残存することを示す.
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