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リン脂質膜における相境界構造形成

研究課題

研究課題/領域番号 05740263
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 物性一般(含基礎論)
研究機関札幌医科大学

研究代表者

松岡 審爾  札幌医科大学, 医学部, 講師 (90190420)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードリン脂質多重層膜 / コレステロール / 相転移 / リップル構造 / X線回折
研究概要

これまでコレステロールを含む水過剰条件下でのDMPC多重層膜について、L_<alpha>相(液晶相)とP_<beta′>相(リップル相)との間の相転移過程の研究を進めてきた。その結果、以前二相共存状態と考えていたものが、長いリップル周期をもつ新しいリップル相(P_<beta′>(long)相と命名)であることがわかった。この相の性質を以下に示す。
1.P_<beta′>(long)相では、リップル構造のくりかえし周期がP_<beta′>相に比べて約1.5倍長い。
2.コレステロール濃度2〜3mol%において、P_<beta′>(long)相のラメラ周期はL_<alpha>相やP_<beta′>相のそれよりも長い。
3.示差走査熱量計(DSC)によれば、P_<beta′>【.ablarw.】P_<beta′>(long)相転移に伴う副ピークがみられた。
4.P_<beta′>(long)相が形成する温度範囲においては、炭化水素鎖配列のレベルで液晶的な構造とゲル的な構造が共存し、それらの量比が温度変化した。また、リップル周期は強い温度依存性を示した。
これらの結果は11th International Biophysics Congress(1993,Budapest,Hungary)において発表された。
水過剰条件下で、ラメラ構造とリップル構造によるX線回折ピークを調べた結果、狭い温度範囲でP_<beta′>相とP_<beta′>(long)相との共存が見られた。両相は広いドメイン構造を形成して共存していると考えられる。水含量を33wt%に減らしてもP_<beta′>(long)相が形成された(コレステロールは2mol%)。このとき両相のリップル構造は共存し、膜面内でそれぞれ広いドメインを形成した。しかし、ラメラ構造は両相が共存せず、水過剰条件下のようなラメラ周期の増大もなかった。これはP_<beta′>(long)相のラメラ周期の増大に水が必要であることを示している。
水含量をさらに26wt%に減らすと、P_<beta′>相は形成するが、長周期のリップル構造は消失しP_<beta′>(long)相は形成されなかった。従って、P_<beta′>相に比べてP_<beta′>(long)相の形成には水和をより必要とすることがわかった。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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