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光の弱局在と媒質の次元性

研究課題

研究課題/領域番号 05740266
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 物理学一般
研究機関筑波大学

研究代表者

服部 利明  筑波大学, 物理工学系, 助手 (60202256)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード弱局在 / フラクタル / 後方散乱 / 多孔質ガラス / 準周期性 / フィボナッチ格子 / 白色光干渉計
研究概要

3次元的な乱雑系である多孔質ガラスと、1次元準周期系であるフイボナッチ多層膜における、光の弱局在について調べた。
多孔質ガラスは、分相法によって作成されるもので、その細孔の空間的な分布がフラクタル性を持つことが、X線回折や中性子回折の研究から分かっている。そのような媒質中で多重散乱された光の状態を、3,000Åから10,000Åの平均細孔径を持つ多孔質ガラスを用いて、コヒーレント後方散乱のピーク形状や、透過率スペクトルを測定することにより、調べた。コヒーレント後方散乱は、代表的な光の弱局在現象であり、その角度幅が、媒質中の光の輸送平均自由行程に比例することが知られているが、更に詳しい理論的解析により、その形状が乱雑媒質の次元性を反映することが分かっている。我々の試料から得られた結果を詳しく検討した結果、光のベクトル性を考慮にいれた3次元的な拡散に関する理論で、よく説明できることが分かった。これはおそらく、光を用いた測定では、X線回折などの場合と比べてはるかに大きな空間的スケールを見ているために、フラクタル性が反映しないのであろうと考えられる。更に多孔質ガラスに関しては、飛行時間の測定から光の拡散係数を求め、ボルツマンの関係から光の輸送速度を計算した結果、どの細孔径のものにおいても、ガラス中の位相速度の約60%の値を得た。輸送速度が、乱雑媒質中でこのように非常に遅くなっているのは、波長と同程度の大きさの誘電体構造による干渉効果だと思われるが、詳しい理論的な解析が持たれる。
また、光学的な1次元準周期系であるフィボナッチ多層膜を、2種類の誘電体材料をガラス基板上に交互に蒸着することにより作成し、透過スペクトルによる評価及び、白色光干渉計による分散関係の測定を行った結果、理論的に予測されるものとほぼ一致した、フラクタル的な構造が得られた。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 中塚宏樹: "永続的ホールバーニングを用いたピコ秒時間・空間ホログラフィー" 光学. 22. 250-254 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] H.Nakatuka: "Accumulated photon echoes by using a nonlaser light source" Optics Letters. 18. 832-834 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] S.Kawato: "Multiple scattering of light in porous glass" Physical Review B. 49. 90-94 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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