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下部地殻における花嵐岩質マグマと壁岩の反応

研究課題

研究課題/領域番号 05740313
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 地質学
研究機関新潟大学

研究代表者

志村 俊昭  新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (70242451)

研究期間 (年度) 1993 – 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード日高変成帯 / 部分溶融 / パ-アルミナスマグマ / Sタイプ花嵐岩 / 下部地殻
研究概要

研究対象となる岩体(日高変成帯新冠川上流地域など)のより詳細な地質調査を行なった。この時、花崗岩マトリックスと各種変成岩包有物(超塩基性岩、塩基性岩、砂泥質変成岩)との接触境界部を特に詳細に観察し、細かなサンプリングを行なった。これらの試料を鏡下で観察し、科学分析を行なった。特に薄片試料の記載には、今回購入した偏光顕微鏡が大変重宝した。
この結果、次のようなことが明らかになった。超塩基性岩との反応の場合、パ-アルミナスマグマとの反応帯としてMg菫青石・フロゴパイト・ブロンザイトを伴う反応帯が形成されるが、この過程は主として元素の拡散によるらしいこと。塩基性岩との反応の場合、角閃石の分解により斜方輝石を生じる反応が起こるが、一部で部分溶融を伴っている可能性があること。
砂泥質変成岩の場合が最も母岩のマグマに与える影響が大きい。変成岩包有物の微量元素スパイダーグラムは、砂泥質変成岩が部分溶融を起こしていることを示している。この反応過程は、反応帯の鉱物の包有関係やザクロ石の組成類帯構造から明らかになった。砂泥質変成岩包有物は花崗岩質マグマの熱により二次的な部分溶融反応を起こし、新たなメルトを生じている。この過程でできたメルトとレスタイトとが鉱物粒オーダーで混合し、結果的にパ-アルミナスマグマを不均質なものにしている。
Sタイプ花崗岩類に典型的に見られるとされる砂泥質岩包有物は、これまで多くの場合マグマの起源物質と考えられてきたが、かなりのものがマグマ上昇過程で取り込んだゼノリスである可能性が大きい。
また、この研究により下部地殻性の花崗岩体の岩石学的性格がかなり明らかになったことで、ポロシリオフィオライトに構造的に狭在されている所属不明の地質体が日高変成帯起源であることが明らかになったことも、成果の一つである。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 新井孝志・志村俊昭・豊島剛志・宮下純夫: "日高変成帯のroof thrustの痕跡" 構造地質. 40(印刷中). (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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