研究課題/領域番号 |
05740373
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
吉田 啓晃 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (90249954)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 超励起状態 / イオン対生成 / 同時計測 / シンクロトロン放射 / 極端紫外光 / 亜酸化窒素 / 3体解離 / 運動エネルギー放出 |
研究概要 |
本研究は、分子がその第1イオン化ポテンシャル以上の光を吸収した際に生成する超励起状態の崩壊過程を解明することを目的としている。そこで、超励起状態を経由してのみ起きるイオン対生成過程に着目し、生成した正イオンと負イオンを同時計測することによって、負イオンの対となる正イオンを特定すると共に、その前駆体である超励起状態の電子状態や寿命を明らかにすることを試みた。試料ガスは、主に亜酸化窒素(N_20)を用いた。 分子科学研究所極端紫外光実験施設(UVSOR)のシンクロトロン放射と正イオン-負イオン同時計測法を用いてN_20からのイオン対生成過程を研究した結果、従来から報告されていた2体解離過程N_20+hnu→N_2^++0^-以外に、500Åより短波長領域において次のような3体解離過程N_20+hnu→N^++0^-+Nが存在することを見出した。さらに、それぞれの過程に対する効率曲線を測定し、両過程の分岐比を決定した。また、同時計測信号の形状を解析することによって解離の際の運動エネルギー放出の値が求められ、超励起状態がイオン対解離する際の余剰エネルギーの分配に関する知見が得られた。さらに、シンクロトロン放射の偏光性と分子線および質量分析器の幾何的な配置を利用することによって、3体解離過程の前駆体である超励起状態が主に^1SIGMA^+の対称性を持つ2電子励起状態であることが明らかになった。以上の結果を論文にまとめて、現在The Journal of Chemical Physics誌に投稿中である。
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