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白金族元素と金属酸化物イオンによる多核錯体の合成と集積化

研究課題

研究課題/領域番号 05740408
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 無機化学
研究機関北海道大学

研究代表者

馬越 啓介  北海道大学, 理学部, 助手 (20213481)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード白金族元素 / 金属酸化物イオン / ジチオカルバミン酸イオン / 酢酸イオン / タ-ピリジン / 金属間相互作用 / 多核錯体 / X線構造解析
研究概要

Rh^<II>,Pt^<III>に代表されるd^7系の白金族元素は,硫酸イオン,ピロ亜リン酸イオン,ヒドロキシピリジン,ピリジンチオールなど架橋配位子中の配位原子間の距離(bite distance)が2.3〜2.8A程度の適当な配位子を用いると,酢酸銅型構造を取り金属間結合と軸配位子を有する二核錯体が得られることが知られている.本研究は,白金族元素をMoO_4^<2->,WO_4^<2->,MoS_4^<2->,WS_4^<2->などの金属酸化物イオンや金属硫化物イオンが架橋した新規酢酸銅型多核錯体を合成し,架橋配位子に金属イオンを含むことにより,どのような新しい酸化還元特性や機能が現れるかを探ることを目的としてスタートした.しかし,研究を進めて行く途中,硫酸架橋二核白金錯体のようにすべての架橋配位子がある程度置換し易い錯体では,MoO_4^<2->を共存させるとヘテロポリ酸を形成することがわかった.そこで,すべての配位座に溶媒が配位した"裸の"白金イオンが生成しないように一部の配位座を置換不活性な配位子(terpyridine;trpyと略)でブロックした白金錯体を原料に用いて種々の反応を試み,以下のような知見を得た.
[Pt(trpy)Cl]Cl-2H_2Oの水溶液にAgNO_3を加えて数時間撹拌し,析出したAgClをろ別後,酢酸またはN,N-ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムを加え数分撹拌した.前者はそのまま濃縮し,後者はNH_4PF_6を加えて生成した赤色沈殿をアセトニトリルから再結晶してそれぞれ結晶性の錯体1,2を得た.X線構造解析により,1は[Pt(trpy)(CH_3COO)](NO_3)の組成を持ち,酢酸イオンが単座で配位した単核錯体であることが解った.結晶中では2つの錯陽イオンのPt…Pt距離が3.27Aまで近付いており,Pt…Pt間に何らかの相互作用があるものと思われる.また,2はPt^<II>(trpy)ユニットをジチオカルバミン酸が架橋した二核錯体[Pt_2(mu-Et_2NCS_2)(trpy)_2](PF_6_3であることが明らかになった.Pt…Pt距離は3.081(3)Aで平均のPt-S距離,Pt-N距離はそれぞれ2.31A,2.00Aである.可視紫外吸収スペクトルには500nm付近に弱い吸収が観測されるが,これはtrpyが配位した他の1架橋型二核錯体と同様にtrpyが配位したPt…Pt間の相互作用によるものと思われる.

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.Umakoshi: "Quadruply Bridged Dinuclear Complexes of Platinum,Palladium,and Nickel" Adv.Inorg.Chem.40. 187-239 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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