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モリブデンおよび銅原子を含む硫黄架橋キュバン型金属クラスター錯体の合成と反応

研究課題

研究課題/領域番号 05740420
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 無機化学
研究機関岡山理科大学

研究代表者

赤司 治夫  岡山理科大学, 分析センター, 助手 (30221708)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードキュバン型 / 混合金属錯体 / アクア錯体 / モリブデン / 銅 / 硫黄架橋 / ^<95>Mo / ESRスペクトル
研究概要

硫黄架橋を含むキュバン型[Mo3CuS4(H2O)10]^<4+>(A)を、既報に従い、^<95>Moを用いて合成し、そのESRスペクトルを測定した。天然存在比のモリブデンを用いて合成したAのESRスペクトルは、g=2.00付近にのみ吸収をもち、S=1/2であることが明らかになった。中央の4本線は銅による超微細分裂であり、その両側に^<95,97>Moによるサテライトが観測された(図1-a)。このサテライト部分と中心部分の強度比は約1:20で、一つのモリブデン核による超微細相互作用によるものとして説明できる。gテンソル軸と、Aテンソル軸を共軸と仮定した計算機シュミレーション(図1-b)よりgx=1.928 gy,gz=1.942Ax(Cu),Ay(Cu)=42MHz,Az(Cu)=86MHzという値を得た。ここで、得られた値がge=2.0023より小さいことと、銅の超微細結合定数が通常のCu(ll)錯体と比べて小さいことなどから、Aの常磁性中心は銅上にないと考えられる。^<95>Moでエンリッチした合成したAのスペクトル(図1-c)は、その両端のサテライト部分の形が図1-aのスペクトルとよく一致している。このことと前述の強度比とをあわせると、不対電子と相互作用するモリブデン核がただ一つであることが明らかになった。スペクトルのシュミレーションは現在のところ完全な一致を得るにいたってないが、相互作用するモリブデン核を一個とし、共鳴軸を仮定することで、Ax(Mo)=190MHz,Ay(Mo),Az(Mo)=80‐120MHzの値が得られた。これらの値より、不対電子の約7割が、一つのモリブデン上に局在しているという結果となった。この結果については、分子軌道計算などの方向からの検討も行なって行く予定である。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書

URL: 

公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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