• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

蛋白質のドメイン構造からみたプロテアーゼ遺伝子とインヒビター遺伝子の分子進化

研究課題

研究課題/領域番号 05740457
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 遺伝
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

池尾 一穂  国立遺伝学研究所, 遺伝情報研究センター, 助手 (20249949)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード分子進化 / ドメイン / セリン・プロテアーゼ / クリングル構造
研究概要

本研究の目的は、タンパク質の機能の多様化の過程を分子進化学的な立場から明らかにすることである。本研究者は、以前より、機能的に多様な進化をしてきたタンパク質の例として、セリン・プロテアーゼ、特に、血液凝固・線溶系に働くプロテアーゼとそのインヒビターであるセルピン類について、それらの機能の多様化に特に注目し、分子進化学的手法に基づいた解析を行なってきた。その結果、セリン・プロテアーゼにみられるようなモザイク構造をとるタンパク質においては、ドメイン構造は構造と機能の単位としてばかりでなく、進化の単位としても重要であり、進化の過程の中でダイナミックな動きを行なってきたことを示した。血液凝固・線溶系にみられるセリン・プロテアーゼのドメイン構造のうちの一つであるクリングル構造および機能の多様性の増加に寄与しているばかりでなく、セリン・プロテアーゼとは全く関係がないと考えられるレセプター様の膜タンパク質(ror)に存在することが知られている。分子進化学的な解析によると、rorにみられるクリングル構造は、セリン・プロテアーゼに見られるクリングル構造と起源が等しく、クリングル構造の出現以降早い段階で、セリン・プロテアーゼ遺伝子よりror遺伝子に移動し挿入されたと考えられる。これは、約5億年位以前に起きたと推定された。ror遺伝子は昆虫であるショウジョウバエにもみつかっており、このror遺伝子もまた、クリングル構造を持つ。昆虫の出現が、約5億年前とされることから、rorタンパク質にみられるクリングル構造の挿入は、昆虫の出現と前後して起こったと考えられる。一方、ror遺伝子の祖先遺伝子の出現は10数億年前と非常に古く推定される。このことからも、ドメイン構造の進化の過程におけるダイナミックな動きが、タンパク質の機能の多様化に重大な働きを果たしている可能性が示された。
これらの結果については、日本遺伝学会および日本分子生物学会において発表した。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 池尾,一穂・五篠堀,孝: "新生化学実験講座第20巻" 日本生化学会編、東京化学同人, 400 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

URL: 

公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi