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昆虫の脳の高次中枢における記憶形成の神経機構

研究課題

研究課題/領域番号 05740509
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 動物生理・代謝
研究機関北海道大学

研究代表者

水波 誠  北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (30174030)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード昆虫 / 学習 / ニューロン / 脳 / 記憶 / キノコ体
研究概要

本研究ではゴキブリのキノコ体ニューロンの活動と場所記憶の形成との関係を解析し、昆虫の脳における場所記憶形成の神経機構を解明することを目標とした。
1)私は以前、脳の微小破壊と場所学習行動実験によりゴキブリの脳のキノコ体が場所の記憶に関与していることを示唆したが、その結果の一部については実験が不十分ではないかとの批判があった。そこで、今回、行動実験の手順に更なる改良を加えて、その結果の再検討を行った。その結果、キノコ体が場所の記憶に関与することをより明確に示す証拠が得られた。
2)ワモンゴキブリのキノコ体に極めて細い(直径14mum)銅線電極を埋め込み、自由行動中のゴキブリのキノコ体のニューロンの活動を慢性記録した。記録終了後、電極から組織中に銅イオンを注入して電極近傍のニューロンを染め出し、どのタイプのニューロンからの記録であるのかを推定した。キノコ体の入力部であるCalyxのニューロンのほとんどは感覚性であり、視覚、嗅覚、または機械覚刺激に反応した。一方、キノコ体の出力部であるLobeのニューロンの活動はゴキブリの運動と密接な関係があった。Lobe-pedunculus接合部と呼ばれる領域には、歩行の開始や、方向転換の開始に先行して発火するニューロン群が多数あった。これらのニューロンは目標地への定位運動の組み立てに関与する可能性がある。これらのニューロンの活動が場所学習訓練の前後で変化するのかを調べたが、現在までのところは明確な変化は見い出せなかった。場所記憶に直接かかわるのはキノコ体の他の種類のニューロンかもしれない。今後さらに検討を深めたい。
3)キノコ体ニューロンの出力ニューロンからの細胞内記録・染色にわずか数例ではあるが成功し、現在、繰り返し感覚刺激を与えた時の応答特性の変化を解析中である。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Makoto Mizunami 他2名: "The mushroom body of cockroach brain participates in spatial memory processing" Japanese Journal of Physiology. 43. S246 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Makoto Mizunami 他2名: "The mushroom body of cockroach brain participates in spatial memory processing" Neuroscience Research. 18. S230 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 水波誠 他2名: "昆虫の場所記憶" 電子科学研究. 1. 94-95 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 水波誠 他8名: "昆虫の脳を探る" 共立出版 (印刷中), (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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