研究概要 |
本年度行うことができた事項は以下の通りである。 (1)回転工具電極を用いた電解研削の基礎データの収集 (2)高感度5分力計の製作と動作テスト 電解研削加工は不働態被膜を形成するNaNO_3電解液を使用する.これは不働態化被膜が形成された部分では電解作用が起こらず,被膜が除去された部分のみ電解作用が生じ加工されるので加工精度が良いことによる.また、超音波工具の砥石の役割は不働態化被膜の除去が主であり,工具に加える荷重が少なくてすむので剛性の少ないロボットを用いて自動化するのに適する.まず,電解研削の基礎的なデータを得るため,実験が比較的容易な回転工具を用いた基礎データの収集を行った。その結果,工具に加える荷重を1kgf/cm^2と小さくしても十分に加工ができ,最初から粒度の細かい砥石を用いても加工効率は低下せず良好な面あらさが得られ,しかも,研削比が高いことなどが分かった.これらのデータを基に工具をリブ溝に倣わせるための5分力計の設計を行った.図1に超音波工具と5分力計を示す.超音波振動工具はX,Y,Z(工具軸)方向の荷重並びにX,Y軸まわりのモーメントが検出可能である5分力計に取り付ける.分力計は平行平板ロードセルを組み合わせたもので,感度を上げるために平行平板部の厚みが今まで使用していたものに比べて薄くしてある.使用したロボットは5軸制御であるが,工具をリブ形状に倣わせるためには6軸の制御が必要である.砥石まわりの1軸はステッピングモータを追加して6軸目を制御した.動作確認試験により工具はリブ溝に倣って動作することが確認できた.
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