本研究では、塑性加工分野における逐次成形動作を、バーチャルフォーミングを活用して人間の試行錯誤的成形動作を解析し、それを基にプロセスを最適化するシステムの基本構造について考察し、論理型プログラミング言語prologを用いてToy sytemを試作した。今回取り扱った成形対象はある曲率分布をもったはり要素であり、非線形性をもつ連続はりの数値シミュレータを作成し、加工手順を自動生成させる試みを行った。 本システムでは、加工操作をまずオペレータが試行錯誤的に行い、その動作をシステムが記憶することで知識獲得が行われる。そして、知識獲得後、システムが自動的に加工動作を生成する。このシステムは簡単な節形式のデータベースを作成し利用する。そして知識ベース作成のためにオペレータの入力からの学習機能を持っている。また、知識ベースの編集機能をもっており、多数の知識群が作られた場合に同じ素材から同じ形状を得る異なった加工手順の存在などの冗長な知識を取り除くことができる。ここでは、能率が悪い知識を削除するようになっている。 このシステムにより、例えば人間の操作により19回の動作が必要であった成形作業が、知識ベースを基にした加工動作では5回の動作で成形が終了することを確認した。さらに、このシステムを未知形状の成形に適用し、蓄えた知識を利用して見かけ上新しい問題に対して対処することができることを確認した。
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