本研究の目的は、境界要素法のメッシュ生成を容易にするために応力集中などについての実験データをデータベースとして活用し、解析を行なう前に解析対象の形状と境界条件から準最適なメッシュを予測するようなシステムを開発することである。ただし、実験データは代表的な形状についてのものしかないので、境界要素法の影響関数の考え方を用いて、解析対象の境界を別々の応力集中を含むいくつかの部分境界に分ける方法を開発する計画であった。このために、まずワークステーションを購入して実験データばどについてのデータベースを構築し、準最適なメッシュを生成するシステムを開発するとともに、別に開発している最適メッシュ生成システムとリンクしていく計画であった。しかし、当初購入予定のワークステーションが生産中止となり、同様な価格で同様な性能の代替機種を購入するのが困難となった。そこで研究計画の予定を一部変更し、従来型の適応メッシュ生成システムの開発・改良を進めることと、同様な研究分野での国内外の研究者の成果について文献調査を行なうことを優先して行なった。このうち後者については、これまでの調査結果を論文としてまとめて国内外の雑誌に投稿すると共に、昨年11月の国際会議において発表を行なった。また、前者についても誤差評価および最適メッシュ生成のためのプログラムを開発し、これをシャフトのねじり応力問題の境界要素解析に適用した。これについても良好な結果が得られたので、その研究結果を論文にまとめ国内の学会誌に投稿中である。
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